『ドライヴ』『オンリー・ゴッド』『ネオン・デーモン』のニコラス・ウィンディング・レイフの映画。

 

チャールズ・ブロンソンに憧れる実在の囚人の半生の映画。

いかようにも語り口がある中で、この監督が選んだのはまさしく『時計じかけのオレンジ』風であった。

とくに、家の中のカットは「あれ、『時計じかけ』っぽいぞ!」と唸ってしまった。

 

私の中では『怒りのデスロード』のイメージしかなかったトム・ハーディがかなりの怪演。

イメージとしてはスコセッシ『キング・オブ・コメディ』。逆に、『ジョーカー』はこの映画にも影響受けてるのでは?と思ってしまった。

とにかく暴力。アクションではない。暴力である。

しかし、後の『ドライヴ』『オンリー・ゴッド』に比べると、暴力描写は控えめ。

せめて、あんだけ殴りまくる主人公ならば、拳の骨が砕けて皮膚を突き破るくらいの演出は欲しかった。

つまり、他者を傷つけるということは、自分も傷つくということを表現できるいいチャンスなのに。

 

あと、『時計じかけのオレンジ』は、私は映画の前に予習として原作小説を読んでからみたほどなので、全然受け入れることができた。

でも、人によっては、あの映画本当に嫌いみたいですね。まあ、本当に理不尽で唐突な暴力・破壊ですからね。何の罪もない人が突然襲われて、さらにはその犯人たちはのうのうとしてますからね。