チャールズ・ブロンソンのデス・ウィッシュのシリーズ第4弾。

だーいぶ、映画としてのデキがユルくなってます。ちょっと目も当てられないレベルに下がってますね。

もともと、1作目の『狼よさらば』は、普通の男が家族を凌辱・殺害されたことで、復讐する過程で殺人の快楽に堕ちていく、というサイコスリラー的一面もある作品でした。この映画では、普通の男が銃を手にする動機も納得のいくものであり、なおかつ、殺人の虜になる様子がきちんと描かれており、映画終盤はほぼ狂気的に悪人を殺そうとする主人公が魅力的でした。

 

まあ、時間が空いて作られた2作目以降はキャノンフィルム製作に変わり、まあ、大味のドンパチ映画に変わりました。

それでも2作目では唯一の肉親の娘も再度レイプされて死亡という、「こりゃ気が狂っても仕方あるまい」という動機付けはありました。

まあ、3作目はもはや初めから殺人マシーン状態で映画が始まり、最後は戦争でしたからね。

 

というか、この3作目といい、ジャッキー・チェンの『レッド・ブロンクス』といい、チンピラが好き放題しすぎだろ。警察は何やってんだ?www

 

で、この4作目の『バトルガンM-16』ですが、いかんせん、動機付けが非常に弱い。

例によって、新しい恋人ができ、その連れ子の娘が登場。ここまでシリーズを追っている人ならば、「あ、こいつらも殺されるな」と一瞬で分かります。案の定、開始して10分くらいで娘は死亡。

ここから、いつもどおり、ポール・カージーの殺人伝説の始まり。今回はちょっと変化球で、彼に殺人を依頼する男が登場。

「地元の麻薬組織の2つを潰してくれ」とまるでダシール・ハメット『血の収穫』もとい、黒澤明『用心棒』と同じ、展開まで用意されてます。

 

でもね、腕利きの殺し屋という男があっさり倒されたり、あまりにもご都合主義がミエミエ。

なんで、ポール・カージーがまったく警察に捕まらないのか?もはや神のご加護ッてレベルじゃねえぞ。

映画ラストでついに警察が追い詰めるんですが、「やるべきことをやれ」と一言残して、ポール・カージーは去っていきます。

警察は、というと、なぜか唖然とした表情で彼を見送るのみ。いや、「やるべきことをやれ」よ!!!

 

作を追うごとに明らかに質は下がってますが、ここまで来たら最終作の『地獄のデリンジャー』も観るぞ!!Wwwww