ベルトルッチにもこういう時期があったんだな~とちょっとニヤけますね。

前作の『革命前夜』に続き、まだ「ゴダール期」です。

青臭い。若さゆえの調子ノリを感じます。

 

原作はドストエフスキーらしいですが、それは読んでないです。

とある、演劇学校の教師が日々の鬱憤を溜めてくうちに、いつのまにかもう一人の自分が出てくる。

で、もう一人の自分は最後にテロ活動を行おうとしている。

 

まず、映像的なことを。

ドイツ表現主義的なシーンが散見。要は、壁に投射された影。これはかなり印象的で好きです。

また、『暗殺のオペラ』でも出てきた、とある物体を軸にして回転するシーンが出てきて嬉しかった。

カメラとともに物体も一緒に回るので非現実的なシーンなので、これまたメチャ印象的。

二人の人物が横向きに向かい合い、カメラが横移動していく撮影の仕方は、後のベルトルッチ映画にも基盤になるやり方ですよね。

 

というか、この撮り方もゴダールからの輸入なんでしょうかね。

やはり、ゴダール期ということもあり、壁を背にして人が立つ、というゴダール印のシーンもかなり多い。

例によって本を朗読するとかね。

 

話の筋は、いわゆる「多重人格」モノでしょう。

ベルイマンの『ペルソナ』が66年、この映画が68年なので、多分に影響は受けているでしょう。

特に、どっちがどっちか見分けつかなくなるのは、モロです。