イギリスの映画協会の選出する「史上最高の映画2022年ver」のリストを調べてみた。

下に上位を挙げる。

1.ジャンヌ・ディエルマン(1975年)
2.めまい(1958年)
3.市民ケーン(1941年)
4.東京物語(1953年)
5.花様年華(2000年)
6.2001年宇宙の旅(1968年)
7.美しき仕事(1998年)
8.マルホランド・ドライブ(2001年)
9.これがロシヤだ(1929年)
10.雨に唄えば(1951年)
11.サンライズ(1927年)
12.ゴッドファーザー(1972年)
13.ゲームの規則(1939年)
14.5時から7時までのクレオ(1962年)
15.捜索者(1956年)
16.午後の網目(1943年)
17.クローズ・アップ(1989年)
18.仮面/ペルソナ(1966年)
19.地獄の黙示録(1979年)
20.七人の侍(1954年)

 

ちょっとカッコつけてるというか、王道からちょっと外してる感は否めない。

この上位20位の中で私が観たことないのは、7、17だけ。ちなみに、16位『午後の網目』はさっきYoutubeで観ました。

14分程度の短編で、白黒で無声。時代的に1943年なので、普通の音は入れられたはず。

で、この映画を観た感想は、人の悪夢を覗いている感じ。

一人の女が自分の家に帰り、ソファでふと眠る。

すると外の道に尼の格好をした「何か」が通り、それを女は慌てて追いかける。その尼の格好をした何かの顔の部分は鏡である。

女は別の家に入ると、電話、ナイフ、などが置いてある。

という映像が繰り返される。というのは、夢の中の夢の中の夢の中、みたいに多層になっている。

ああ、目が覚めたと思ったら、もう一人の自分(女)が外で尼を追いかけているのを自分が眺めているのだ。

で、女が増殖する。同じ自分=女が同卓し、家の鍵を取り合うシーンは印象的である。

なので、語りたい明確なストーリーがあるわけではなく、あくまでイメージの映画だ。隠喩、比喩、暗喩の連続だろう。

でも、この映画を観て思うことは、『12モンキーズ』とかその元ネタの『ラ・ジュテ』、リンチの『イレイザーヘッド』やベルイマン作品を想起されるのである。

つまり、このリストで高評価されているのは後世への映画への影響が絶大ということだろう。

 

ちなみに、このリストで言えば、『花様年華』が好きですね。これは、もうね、「ムード」の映画です。

男と女のラブストーリーですが、今の邦画みたいにバカみたく「私はアナタが好き!」とか一言も言いません。キスさえしません。それでも、燃え上がる情熱が伝わるんですよね。とんでもない傑作です。ラブストーリー映画の1位です。