スピルバーグ映画。
うん、スピルバーグっぽさは満載。
まず、子供の冒険譚。悪い男が出て来る。この悪い男には同情の余地がないキャラである。
その点で、スピルバーグ映画に出て来る悪役というのは通り一辺倒である。これは本人も認めるところであろう。
いうまでもなく、80~90年代の映画、アニメ、マンガ、サブカルチャー、大衆カルチャーがこれでもかと入っている。
終盤の大群衆の戦闘シーンは1コマずつ見ていったらものすごい数のキャラクターいるのではないか?
あと、『シャイニング』のパロディはこれ、観てない人はポカーンだろうな。
映画の中ではVR、ARが当然の技術として出てくるが、これは一つの例えである。
要は現実逃避である。
今や、VRを含めて、SNSなどが「もう一つの世界」になっている。
よく言う「ネットの住人」とか「ネットの世界」とかあるが、私はそんなものないと思っている。
なぜなら、SNSで何万人フォロワーがいようが、掲示板で悪口を書き込もうが、ネットゲームで神と崇められようが、現実において腹が減るし、クソは出るし、睡眠が必要だからだ。
なので、この映画はオタク礼賛のようでいて、「お前らそのままでいいの?」という冷たい視線がある。
また、この映画で、スピルバーグがキューブリックとかオーソン・ウェルズという偉人たちに正面切って立ち向かったことは評価したい。
「バラのつぼみ」をここまで堂々とパクってるんだから。