アマプラ独占配信映画の『ジョルト』。

主演のケイト・ベッキンセイルが金髪になっていて驚く。

また久しぶりに彼女を見て、「あれ、こんな顔だったっけ?」と再び驚く。

『セレンディピティ』のころの彼女はどこ行った?

 

主人公のキャラに問題あり。簡単にいうと、「怒りをガマンできずにすぐに暴れる」女。全然共感できないので応援できない。

また、この主人公が10代とか20代前半とかの情緒不安定な年ごろならまだわかるが、すでに40代後半である。

想像してほしい。40代後半の癇癪持ちの暴力女を・・・。うん、全然人気はでませんね。

なんか映画の最後に続編あるかもよ、的な終わり方したがやめたほうがいいよ笑

絶対ヒットしないから。

 

まあともかく、この映画は「女が強い系」映画の系譜にある作品。

最近、とりわけ2010年以降で増えた。もちろん前からあるが、美人系の人気女優が肉体改造をしてハードアクションに挑むみたいになったのは2010年以降っぽい気がする。

たとえば、シャーリーズ・セロン『アトミック・ブロンド』、スカーレット・ヨハンスン『ルーシー』『ブラック・ウィドウ』、ジェニファー・ガーナー『ライリー・ノース』など。

特徴としては、男を必要としない強い女の物語。銃も肉弾戦も男に引けをとらない。

しかし、いかんせん話が湿っぽくなる。ここに女性性を見る。ある種の限界も感じる。

これは現実世界にも言えるが「男に負けないわよ」と意気込む女ほど、男にとってうっとおしいものはないのだ。

そんな女が好きな男はいない。アンタがそんなに勝ちたいなら、俺負けてあげるよ、と思う。

 

てなわけで、2010年以降のこの一連の「最強女」シリーズはフェミやLGBTQウケはいいかもしれないが、映画評的にはキビしいものがある。私個人もそう思う。

むしろ、2000年以前の、さらに数少ない女によるアクション映画にこそ傑作がある。

 

『ニキータ』、『エイリアン』シリーズ、ときて、その源流はジーナ・ローランズの『グロリア』ではなかろうか?

肉弾戦はないが、女性性を存分に表現しながらも少しも湿っぽくない娯楽作になっている。

いわゆる、女性が銃をドンパチ撃ちまくる映画の元祖ともいわれる映画。必見。