古い映画を観た。1953年、『地獄門』。京マチ子主演。
なんかポスターは印象的で観たことはあったが、映画は時代物ということもあり、ずっと敬遠していた。
なんでもカンヌ映画祭グランプリ、アカデミー賞の今でいう外国語映画賞を受賞しているということで、海外で称賛されていた模様。
で、観ましたが、ストーリーは陳腐です。ほとんど一本調子で、最後に一ひねり。なおかつ、胸糞ストーリーです。
一人の侍が人妻に惚れてしまい、なんとなんと正面切って「おい、旦那と別れて俺と結婚しろ」と言いつけます。
もちろん人妻は拒否しますが「てめえ、拒否ったらお前も旦那もたたき切るぞ!コラァ!」とブチ切れる始末。
最後は、人妻が命をかけて旦那を守る形で死にます。
この侍はかなりバカに描写されます。なぜそこまで人妻にのめり込むのかもよく分かりませんが、あの当時の侍は女遊びはしていたんでしょうか?もしかすると童貞をこじらせて狂ったパターンなのかもしれません。
ハッキリ言ってこの映画はストーリーは聞き流す程度でよく、源平時代の衣装やセットを隅々まで味わうのがよいかと。
しかし、その割には画質がかなーり悪く、途中で音飛びもしてました。
これが超高画質なら印象も違うんでしょうが・・・。
それに、地獄門と検索しても、あんまりこの映画にたどり着きませんでした。美術作品の「地獄の門」や別の映画の「地獄の門」が先に出てくるようで、今はほとんど顧みられない映画なんですね。
まあ、内容はかなり男主義、男根主義、男尊女卑の筆頭に挙げられるべき映画で、むしろこの映画を観て、世の男たちは「もしかして俺もこの侍みたいな振る舞いをしてないだろうか?」と自問すべきなのかもしれません。