バイデン政権、移民問題協力金として中南米諸国に3・1億ドル拠出 | ボルタのブログ

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本文は、4月27日のロイター通信の要旨及びそれに関するコメントです

要旨

 ハリス米副大統領は26日、ノーザントライアングル(ホンジュラス、エルサルバドル、グアテマラの総称)(Fig.1)を含む中米諸国に対し移民対策で協力することと引き換えに3億1000万ドルの追加援助を発表した。ハリス氏は、6月に中米を訪問する考えも示した。同日、ハリス氏と会談を行ったグアテマラのブロロ外相は記者会見で、米国との「新たな国境警備合同部隊の設置」について合意があったと公表した。

Fig.1 ノーザントライアングル(ホンジュラス、エルサルバドル、グアテマラの総称)の位置関係

 

 ハリス副大統領はメキシコおよびノーザントライアングルから大量に流入する移民への対策のリーダーを兼務している。

 援助金については米国際開発局(USAID)のほか、国務、国防、農務の各省が拠出する。具体的には、繰り返される干ばつや食料不足、武漢肺炎(新型コロナウイルス、sars-cov-2)感染拡大への対策として1億2500万ドル、難民と亡命希望者の安全確保と保護に1億400万ドル、医療、教育、災害救援でのパートナーシップに2600万ドルが盛り込まれている。

 

コメント

・現在、メキシコやノーザントライアングルからの移民はアメリカの最重要課題だ。そして、ハリス氏は、3月にその移民問題解決プロジェクトのリーダーとして抜擢されるも、同氏はこれまで目立った活動を行ってこなかった。あまつさえ、同氏は移民問題を軽んじるような発言を行っていた。

・アメリカでは2020年10月~21年9月に、メキシコ国境を越えて入国を図る移民の数が100万人以上に上る見込みだ。これは昨年の倍以上のペースだ。この原因は秩序ある移民受け入れを行ってきたトランプ政権の政策をバイデン政権が無計画に覆し、大幅な移民受け入れを発表したことにある。

・バイデン政権は、トランプ大統領がメキシコとの一部国境沿いに建設させた「国境の壁」(Fig.2)の破棄を公約としていた。しかし、バイデン政権は移民問題が本格化したことを受け、「国境の壁」は必要であると認識し、同施設破棄を公表した。

Fig.2 テキサス州にある「国境の壁」とそれを見学するトランプ前大統領(2021年2月)

 

・アメリカにとって中南米からの移民は長年の課題だった。それだけにバイデン政権で解決することはないだろう。