第5のがん治療法である光免疫療法の研究所、関西医学大学が楽天メディカルと提携し設立 | ボルタのブログ

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本文は、4月13日の日経新聞の要旨及びそれに関するコメントです

要旨

 第五のがん療法といわれる光免疫療法[1]が日本で本格化しそうだ。

 関西医科大学が2022年に光免疫療法の研究所を設立する。この研究所の目玉は、適用できるがんの種類拡大や既存の治療法との併用だ。光免疫療法を事業化を実現した楽天グループとも連携し、既存の免疫薬などと組み合わせて治療効果をあげるという。

 3月中旬時点で国立がん研究センター東病院など約20の病院が導入しているが、現時点では手術で切除できなかったり再発したりした局所の頭頸部がんに限られる。

 研究所では新薬開発や、内視鏡を用いて体の深部にレーザーを当てるといった技術の開発を進め、乳がんや食道がん、子宮頸がんなどへの適用拡大を目指す。(Fig.1)

Fig.1 光免疫療法の手順①がん細胞と結びつく特殊な薬剤を患者に投与

②その薬剤ががん細胞周辺に集まる③赤外線のレーザー光をがん細胞に照射

 

 これまでのがん治療法では、患者の免疫細胞を弱らせ、免疫薬が効きにくくなるなどの課題があった。しかし、この光免疫療法には、何回でもがんをたたけるうえに他の治療法の効果を全く妨げない利点が存在する。そのため光免疫療法が普及すれば、まず光免疫療法でがんを縮め、外科手術で切除して根治させたり、免疫薬などと組み合わせて余命を大幅に延ばしたりできる可能性があるという。さらに、薬品の投与量がすくなくレーザー光を当てた部位だけで効くため、副作用の抑制も期待できる可能性が大きいという。

 楽天メディカル社は米国で頭頸部がんと皮膚がんについて、光免疫療法と免疫薬を併用する治験を進めている。日本法人の楽天メディカルジャパンの担当者は「治療法開発へ可能な限りサポートしていきたい」と話す。

 

コメント

・様々ながん治療法が近年次々と開発されている。そして、年々治療にあたって患者が選べる選択肢は増加していっている。

・今後、この光免疫療法についての研究が進めば、光免疫療法はがんの治療法の選択肢の一つとして認知されていきそうだ。

 


[1] 光免疫療法:がん治療法の一種。保険医療で使えるのはまだ日本だけとなる。治療薬の価格は1回投与当たり平均約400万円で、最大4回まで保険が使える。保険適用時、患者負担は1回最大で約30万円になる。