中国南部の広西チワン族自治区に サバクトビバッタ襲来 | ボルタのブログ

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本文は、7月6日のEpoch Timesの要旨及びそれに関するコメントです

要旨

中国の農作地である広西チワン族自治区桂林市全州県で、サバクトビバッタの大群が襲来した。6月初めに、中国の主要米産地、東北の吉林省および黒竜江省に、同月中旬に、中国湖南省永州市寧遠県に蝗害が報告されたばかりだ。(Fig.1)

現時点で、全州県政府が公式に発表した被害面積は数百畝(一畝=667㎡)に及ぶ。今起きている長江流域の洪水とイナゴによる被害で今後、中国国内に食糧危機が起きる可能性が出ている。

四川省成都市農村農林局がこのほど、「食糧生産用地」の確保を進めている。農家に果樹などの栽培を取りやめ、イネなどへの植え替えを推奨している。一畝あたりに3000元(約4万5000円)の補助金を支払うという。成都の農家によると、小麦より果樹栽培の収益性の方が数十倍も高い。それでも、政府が穀物栽培への切り替えを要求しているのは、食糧備蓄の不足が考えられる。

アメリカとの対立が高まるなか、中国当局は国内の食糧備蓄が不足しているにも関わらず、アメリカからの食糧の輸入を停止した。重慶市のある関係者は現地の倉庫に備蓄されている食糧は粉飾工作が行われているもので食糧危機が深刻な状況という現実を話した。

Fig.1 現在、蝗害が起きている地域

 

コメント

・現在、中国では蝗害以外にも広西壮(チワン)族自治区、貴州省、広東省、湖南省、江西省、重慶市など26省(区、市)で深刻な水害も起きている。被害を受けた農作物の面積は6月23日の段階で86万1千ヘクタールに及ぶという。

・現在、最も危険視されているのが三峡ダムの決壊だ。同ダムの下流は中国経済実力の40%が集中している。(Fig.2)万が一にも、三峡ダムが決壊すれば被災者は少なくとも4億人以上に達し、およそ30億立方メートルの土砂が三峡ダム下流域を襲い、上海までが
水浸しになると言われている。

Fig.2 三峡ダムと下流域の都市

 

・FAOは、サバクトビバッタはインドを越え、ネパールまで侵攻したことを伝えている。(Fig.3)同機関は、7月には、インドやパキスタンで卵が孵化し、8月にはさらに勢いが増すと警告している。このため、チベットや雲南省、四川等へサバクトビバッタが侵攻する可能性はある。

Fig.3 FAOが公開したサバクトビバッタの侵攻状況