富士通とクアルコム、Sub-6帯で3Gbpsの高速 データ通信に成功 | ボルタのブログ

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本文は5月8日の富士通のプレスリリースの要約及びそれに関するコメントです

要旨

富士通とクアルコムは、LTE設備との連携により5G通信を行うノンスタンドアローン構成で、総務省が定める日本のSub-6帯である3.5GHz帯と4.9GHz帯の2つの異なる電波を組み合わせて同時に通信させるキャリア・アグリゲーション を用いて、最大3Gbpsの高速なデータ通信に成功したという。試験には、富士通のNSA(Non-Standalone)対応5G NR(New Radio)基地局と、クアルコムのSnapdragon X55 5Gモデム/RFシステム(Fig.1)を搭載した試験用5Gスマートフォン型端末を使用した。通信方式にはTDD、4x4 MIMOアンテナと256QAMを用いたという。

この試験で用いた技術を使えば、異なる周波数帯を利用してより柔軟にネットワークの容量やパフォーマンスを改善することが可能になるという。また、電波の二重化による安定性向上や負荷分散による周波数効率の向上を図ることができ、スムーズな動画ストリーミングやより高速なファイルダウンロードが可能になるという。

Fig.1 クアルコムのSnapdragon X55

 

コメント

・富士通は、クアルコムとSub-6のみでなく、ミリ波帯についても共同研究を行っている。

・クアルコムによると、Snapdragon X55 5Gモデム/RFシステムは、Sub-6の200MHzを束ねることで、5Gbpsまでの通信を可能にするという。ピーク時速度3Gbpsを超える通信速度を確認したという。(Fig.2)

Fig.2 Sub-6帯で5Gbpsを実現可能(帯域幅200MHzのキャリア・アグリゲーション,ダウンロード時)

・クアルコムの最近の実験では、TDD方式のSub-6で3.6Gbpsを確認している(Snapdragon X55 5Gモデム/RFシステムを使用した200MHzのキャリア・アグリゲーション時)。

・富士通はローカル5G免許を取得している。同社がローカル5Gサービスを提供する際、今回クアルコムとの共同研究で培われた技術が使われていくだろう。

・Snapdragon X55 5Gモデム/RFシステムのキャリア・アグリゲーション対応商用端末は、2020年内の発売が見込まれているという。