もう明日で2月も終わろうとしている。
少し日が長くなった様な気もする。
まだまだ寒いけど
すこーしだけ春の気配を感じる。
私が飼っていたうさぎの「クロ」は、本当にお利口さんだった。
お父ちゃんの入院中、クロが来てくれて家の中が明るくなった。入院も3週間と割と長くて、クロのおかげでその期間、落ち着いて過ごす事が出来た。
お父ちゃんが、退院して家に入って、まぁ驚いていた‼️ でも、餌場とトイレを覚えた事を知り、賢いなぁと関心していた。
クロの好物は、海苔とカステラ。特に喜んだのは、東京土産の人形焼きだった。
うさぎだから、草しか食べない事はない。という事を知った…。
体の事を考えて、たまにしかあげなかった。
私が東京の病院に入職が決まり、クロの事は父に任せて上京した。
よく家に電話して、クロの話しを聞かせて貰っていた。
そんなある日、「クロが具合が悪いから、1度見にきて欲しい」と電話があり、私は帰省した。
その時に持って帰ったのが人形焼きだった。
半年振りだっただろうか…
クロはとても痩せていて、痛々しい程だった。
どうして、もっと早く言わなかったかと父に尋ねると、心配させたくなかったから…と言われた。その気持ちもよく分かるけど、ここまで痩せてたら、ちょっと良くない病気だろうと考えた。
下痢も続いているとの事で、うさぎの糞はそもそも固くて丸い、仁丹を大きくした様なものだ。匂いもない。
だけど、下痢の場合はやはり糞の匂いはした。
病院に連れていったら、原因を調べるには体への負担が大きすぎる、と言われ、納得した。もう、その段階は超えているからである。治療というより、栄養剤の注射をする事のみになった。
毛で覆われているから、痩せてるのが一目ではわかり辛いが、皮がたるんでいたので、相当やつれていた。私はナース的にも、これは長くはないなぁと思って辛い気持ちになった。
お父ちゃんが、懸命にお世話をしてくれるのを見て申し訳ないという気持ちと
現実逃避したい気持ちが交差して、その時の帰省は辛いものだった。
私は、お土産の人形焼きをクロに差し出してみた。
すると、それ目指して、こたつの上にぴょんと飛び上がってくれた。パクパク食べてくれ、その直後にうんちをした。
お父ちゃんがそのうんちを見て、急に号泣したので私はびっくりしてしまった。
「こんなに形のあるしっかりしたうんちは、もう2〜3週間は見た事ない、もうずっと下痢してるから」と言った…
クロは殆ど、飲まず食わずだったらしい。動かずに、じーっと座ったままだったと。
だから、私が差し出したおやつを食べ、こたつに上がったり、うんちしたり、元気な姿を見れた事がお父ちゃんにとっても、凄く嬉しかったらしい。
そして、クロは私の手をペロペロと舐めてくれた。
「お前が帰ってきて、嬉しいんやろ」と言われ、私も東京〜大阪は、近くないなとつくづく思った。
お父ちゃんに、クロの事を任せて東京に戻るのは、忍びない気持ち。でも、お願いするしかなかった。
病院も毎日連れていくと、言ってくれた。
免許証も持ってないので、自転車の後にキャリーケースを積んで3キロ先の動物病院に…
そして、私は帰る前に提案した。
私が夜勤の時は私がクロの事を想う、お父ちゃんが仕事の時はお父ちゃんがクロの事を想う、そうすれば24時間クロの事を想っている事になるでしょう。
そうしようと決めて、東京へ戻っていった。
後ろ髪を引っ張られるとは、この事だと思った。
この後に不思議な事が起きた。
それは又続きに書こう。
クロの事、こんなに今思い出す事が出来て良かった。
今日はもう寝よう…