今日は用事があり、東京にきた。

新幹線のスピードは驚く程に早く、日本列島の狭さを痛感させられる…


遠いといえども、近い。

よく移動があまりない人程、近距離であっても「遠い、遠い」というもの。


さすがに海外となれば、話しは変わってくるがまぁ数時間で移動が出来るなんて有難い。


きっと数ヶ月後には、お父ちゃんの事で又東京に来ることになるであろう…


そんな事が頭をよぎりつつ、ホームに降りたった。


あのタイムスリップの病院もここ東京の話しだし。

そして、この関東の地で起きたつい最近の事も含めて、ほぼこの地域で起きた出来事だと思った…

私の人生の大きな事は、この「東京」からスタートしたんだ。


皆が憧れる「東京」、そして常に新しいことが起きる「東京」、グローバルな「東京」、日本の中心である「東京」、関東圏の人々は東京に通勤する為にその近辺の千葉、埼玉、神奈川、茨城、に住み、ここまで通う。

都内に住んで、都内で仕事が出来る人なんてそんなに多くない。それだけ、お金の要る所。人の要る所。


東京駅はいつも沢山の人が行き交う。


私も、人生の半分以上は関東で過ごした。地元から出る事など、全く想定していなかったのに、そんな風になるなんてわからないものだ。


新幹線から降りる時、外国人の紳士がレディースファーストでどうぞと先に降ろしてくれた…

新幹線の改札口でも、同様に譲ってくれる人がいた。


今は、日本でも女性の地位は少しは向上したが、ここまでの事はない。日常のレディーファーストはまぁ、余程でない限り例をみない。

今日はそんな「東京」エピソード。


さて、そろそろタイムスリップしよう。


確か、昨日は日勤と夜勤の入れ替わる時で話しは終わった様に思う。


そう、それで私は申し送りが終わった後に、すぐなAさんの様子を見に上の階に駆け上がった。


一般的にいう「虫の息」、医療的にいえば「下顎呼吸」、だけどモニターもついてなくて、この状態だとナースステーションで観察が出来ない。いちいち、階段を登ってここに来なきゃ様子がわからない。


困り果てて、残っている師長含めた先輩方に必死で「Aさんの事はどうすればいいのですか?申し送りでも詳細なことは教えて貰えず、どうしたらいいかわかりません」と言った。言ってしまった。


師長も70代、私達と同じ独身寮に入っていて、何もまともな仕事をしている所は見た事がない。

「おばあさん」、東北訛りが強く話す内容は晩御飯の話しばかり。私にも「若いのに料理してる様ね、部屋の前からいい匂いがしてる」という内容を東北弁でよく言ってきていた。


お裾分けが欲しかったんだと、後で気付いた。


そんな師長に、まともな質問をする事をためらったが、そんな事を考えてる暇なんてなかった。


師長が「そんな事は気にしなくていい、あの人はもうすぐに死んじゃうから。その時は、事務に電話しな」とあっさりと言った。


は?え?どういう事?


ここ病院だよね?


「それから、当直医には連絡しなくていいからね」


え?何それ?今、なんて言った?


頭の中から驚いた。驚くでしょう、そりゃあ。

今でも忘れないでしょうよ、そんな事があった事を。


あまりにも絶句している私に、夜勤の相手のベテランナースが「後で話すから、事情は知ってる」と耳元で伝えてきた。


何がなんだかわからない状況っていうものが、恐怖として私を身震いさせた。


ここって「病院」だよね??


全て本当の話し。フィクションではありません。


今日は、家じゃないから枕もとに猫はいない…

お陰で、寝付きも悪く早朝覚醒した。


早く家に帰りたい。でも、帰りは夜行バスだから(交通費節約の為)まだ癒しの時間は先になる。


この東京の用事もお父ちゃんの死に関わってる用事の1つ。試験前に、時間は惜しいけどこの移動も大切な事だから…


こうやって地球が自転をするから、時間が経過していき毎日が訪れる。

1秒だって、過去になる。