お家芸って | いきょくのまねーじゃーのブログ

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市立砺波総合病院の整形外科医です

「お家芸は…」

 

 レスリングで3つの金メダルを日本人が獲得する。日の丸を誇らしげに掲げ、表彰式で流れる君が代に涙がでる。もしかすると、レスリングは日本の「お家芸」になったのかと思う。しかし、「お家芸」ってなんだろうかと思い、改めてお家芸と言う言葉をネットで調べてみる。すると「家の芸」という言葉に出会う。

https://ja.wikipedia.org/wiki/家の芸

歌舞伎などで、得意とする演目をさす言葉からきている。お家芸のことをさす言葉のようだが、ちょっとニュアンスがちがう気がする。

 

 連日、オリンピック中継を見ていて不思議に思うことがある。「体操、お家芸復活!」「水泳、お家芸復活!」というアナウンサーの言葉である。「柔道、お家芸復活!」と言えばまだ、なんとなく納得するのだが、どちらかというと柔道は、「家の芸」というとしっくりする。

 

 前回の東京オリンピックでは、東洋の魔女と呼ばれた女子バレーボールの金メダルがあった。それからしばらくバレーボールまでもが「お家芸」と言われたように記憶している。バレーボールは日本発祥ではないのに。

 

 今回のオリンピックで好成績を残している選手たちのこれまでの努力や苦労はどれほどだっただろうかと思うと涙がでる。さらに、今までその競技で成績を残されなかった先人たちのご苦労も好成績には関係しているように思える。それは、技術や経験を伝えるといったことだけではないように思う。

 

 その競技の文化ともいうべきものを醸成していくことが、「お家芸」につながるような気がする。勝ち負けだけで、お家芸と呼ばれるのかも知れないが、そのためには、長い時間と多くの人の努力がその裏にある。「お家芸」は「家の芸」でなくてもいいのかもしれない。

 

 このブログも大分続いてきたが、読者の思考を混乱させることを書くのが私の「お家芸」であるが「家の芸」ではない。私の「家の芸」は材木屋ということかな。「お家芸」という言葉にはこんな使いかたもあるな。