指揮: タルモ・ペルトコスキ
ヴァイオリン: ダニエル・ロザコヴィッチ
コルンゴルト/ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35
ソリストアンコール: バッハ/無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第2番 ニ短調 BWV1004 ― 第3曲「サラバンド」
マーラー/交響曲 第1番 ニ長調「巨人」
フィンランドの新鋭Tarmo Peltokoskiが今シーズン最後のN響定期に登場。まだ25歳ながらソヒエフの後任として来25/26年シーズンからトゥールーズ・キャピトル歌劇場の音楽監督に、また香港フィルとはたった一回の共演で26/27年シーズンから4年間の任期で音楽監督に指名されました。ロッテルダム・フィルとドイツ・カンマーフィルの首席客演指揮者も兼務するライジングスターです。クラウス・マケラと同じく、フィンランドの有名な指導者、指揮者のヨルマ・パヌラ門下。
日本のオケでは東響が新鋭の発掘に熱心なイメージがあり、東響で指揮者デビューを飾ったヴィオッティを音楽監督に指名しましたが、これも初共演からは10年経過してすでに名が通っていますし、すぐに監督ポストをオファーする海外勢のスピード感には及びません。今回がPeltokoskiの日本デビューとなるそうです。
2000年生まれの指揮者に、独奏者は2001年生まれ。
コルンゴルトの協奏曲を初めて聴いたのはこれもデュトワN響でした。何度聞いてもピンとこない映画音楽のような甘ったるい曲ですが、この日のソリスト、ロザコヴィッチはスイスイとインテンポで進めていたように聴こえ、ペルトコスキの方は逆にメリハリのはっきりした響きを志向しているように感じました。
金曜日の夜、1週間で一番疲れる時間で、ほぼ夢の世界に入ってしまいました。アンコールは静謐なバッハ。これは素晴らしかったです。
後半はマーラー1番。53分ほど。全体的にはテンポややや遅く感じられましたが、テンポと音量の強弱が激しく、細部に多くの拘りのある新鮮なアプローチでした。
ペルトコスキは両足を大きく広げて指揮台の上に立ちます。人文字で大の字に見える珍しい立ち姿。全身を動かして強く振り、左手もまるで右腕側からしならせてくるように振り下ろして来ます。各楽器の入りの部分は指示を多く出していました。
1楽章は聴こえるか聴こえないぐらいかの超弱音の弦からスタート。
2楽章の冒頭、チェロは一音ごとに音量とテンポを変えていましたが、繰り返しのところは普通に戻っていました。
4楽章はコーダの前、テンポを落としてからアップテンポの猛追コーダになりホルン8人、トランペット1人、トロンボーン1人まで立奏。追い込みは結構激しいアップテンポとなり大きなホールが鳴ってはいましたが、音量は出ていて弦もガツガツ弾かせます、これが21世紀生まれのマーラーなのでしょうか。
ペルトコスキ、この日に関しては自分のやりたいことを初顔合わせのオーケストラに従わせることはできても、あまり相性が合っているようには見えませんでした。終演後もオーケストラからは指揮者を讃えることはせず、3回目ぐらいのカーテンコールでオーケストラは立ったままでさっさと終わらせたいオーラを感じました。気にしすぎですかね。初共演の初日ですので、2日目にした方が良かったかもしれません。
