TARMO PELTOKOSKI CONDUCTS WAGNER


Conductor: Tarmo Peltokoski

Piano: The Jussen Brothers

Hong Kong Philharmonic Orchestra


SAINT-SAËNS: The Carnival of the Animals

WAGNER (arr. Henk de VLIEGER): The Ring: An Orchestral Adventure


先週東京でN響を振ったペルトコスキ。

この日の香港演奏会は、ドイツ・グラモフォンのStage+でライブ配信されていました。


前半はサン=サーンスの動物の謝肉祭。

ピアノの2人はユッセン兄弟。オケは弦楽10型、フルート兼ピッコロにクラリネット、打楽器2人の小編成でした。


ペルトコスキは弦楽器の弱音を徹底して絞っていて、曲目は違えどN響の時と共通しています。オケはしっかりと反応していました。

アンコールはピアノ連弾でヨハン・シュトラウスのワルツをメドレー調にしたオリジナルと思われます。


後半メインのワーグナーは、長さと登場人物が多すぎるワーグナーのオペラが苦手な私にとっては、「ワーグナーの指環の14時間をコンパクトにまとめた1時間」というペルトコスキの宣伝文句に惹かれました。

弦16型、金管はホルン9、うちワーグナーチューバ兼4、トランペット4、トロンボーン4、チューバ1、木管は3-4管という大編成。


ペルトコスキは暗譜。後半のスタートはN響の時と同じく指揮台上で長い間合いを取り、力みなく自然に音楽が始まりました。65分のワーグナー、圧巻の指環でした。その要因は、金管群を中心としたオーケストラ全体の分厚い響きでした。また大音量だけでなく、抒情的な場面の美しさも兼ね備えていました。


東京に続いて2週連続で聴いてみて、ペルトコスキの指揮そのものは同じでも、出てくる音がホールや席の違いを考慮してもあまりにも違いました。

要求の多いであろう指揮にもオーケストラの反応が献身的で、応えようとしているのが感じられました。そしてペルトコスキの振りとオケから出て来る音が一致していたのが、前の週との唯一にして最大の違いでした。

カーテンコールもオーケストラメンバーからの賛辞が明確に発せられていて、さすが一回の共演で音楽監督のポストをオファーしただけのことはありますね。





もう既に4つのポストを掛け持っていて、オペラの指環シリーズも指揮済み。25歳という年齢で判断しない方がいいですね。

同じフィンランドの若手ではオケのポストの格としてはマケラが先行していますが、どの曲を振っても同じようで単調な振りと大音量のマケラに比べて、表現が多彩で極小音から大迫力のクライマックスまでレンジの広いペルトコスキの方が、長い目で見れば大成する気がしました。オペラも経験しているのも大きいですね。あまりポストを受けすぎず、ゆっくり着実に歩んでいってほしいです。



音楽監督への就任は1年後の9月。ペルトコスキは次期音楽監督として迎える来シーズンも3回登場します。他にもサロネン、ガッティ、ハーディング、ジョルダンなど豪華な客演指揮者陣です。