カネラキスとアリス=紗良・オット(以下アリス)が都響に登場。カネラキスは今回日本デビューだそうです。私も初聴。

このコンビ、2ヶ月前にバイエルン放響とラヴェルの同曲をミュンヘンで共演しています。ラヴェルの音源はないですが、後半にあまり演奏されないシベリウスのレミンカイネン全曲が演奏されていました。


https://youtu.be/tke8q9_MmnA?si=3gdMP4FXBLDNLk9J


この日はラヴェルのピアノ協奏曲からスタート。

オケは10-8-6-6-4と小編成。

アリスのピアノは、数年前のマケラとパリ管の記憶と比べると、むしろ中低音に重心が置かれているのではないかと思うほどキラキラ感は感じられませんでした。

オケは明瞭でクリアな響き、カネラキスはリズムばかり振っていて、単調な指揮です。後半のマーラーではどうなるのでしょうか。オーケストラでは小太鼓とシンバルのシンクロやファゴットの伴奏など生でしか耳に入らないパッセージが聴けました。


ラヴェルの後アリスは日本語でスピーチ。3週間の日本ツアーの今日が最終公演であること、これから次の目的地韓国に向かうこと、暑いのでみなさんご自愛くださいと喋ってから、アンコールはラヴェルと同時代を生きたサティの…と少し間を置いて、どうしよっかなと言いながらサティのグノシエンヌ1番を弾き始めました。このアンコールの方が良かったかな。

舞台を裸足で飛び跳ねるように歩くアリスの姿を見て、難病と向き合って克服して今を生きる喜びを感じました。健康が第一ですよね。


後半のマーラーは16型。

マーラー1番、昨年の都響ハーディングはボウイング、2週間前のN響ペルトコスキはテンポと強弱がいずれもクセ強でした。冒頭の弱音もペルトコスキのようにいつ音が出たかわからないようなことはなく、カネラキスは全体的にストレートな表現で、棒も明確でわかりやすく、リズム感も良いと感じました。

1楽章は静かな部分はマーラー初期のオーケストレーションが甘酸っぱく再現されていましたが、主部に入って音が大きくなった途端に特に弦楽器の音が混濁して聴こえるようになったのは残念でした。

何度も書いていますが、日本のオーケストラでも必要以上に圧力をかけて(特に弦楽器)ガツガツ弾く傾向が強く、混濁したりただうるさいだけのことがあります。この日はパワフルな迫力がありましたが、私が曲の中で良かったと思ったのは下記でした。要は音が大きい部分以外。

  • 2楽章の中間部
  • 3楽章
  • 4楽章の緩徐部分

https://youtu.be/ZxLoal5l_zo?si=eylSSqD1TZ-tTg-M


リハーサル映像↑のように音量の大きいところが目立ちがちですが、緩徐部分は力みのない丁寧な振りで、金管、木管のソロと弦楽器のアンサンブルの扱いとかこういったところにむしろカネラキスの特徴が出ているように思いました。

4楽章最後のコーダはペルトコスキと全く同じ、ホルン8に加えてトランペット1、トロンボーン1が立奏でした。ホルン以外の立奏はマーラーのスコアには指示がないと、N響のラジオ放送でに解説者が言っていました。マーラー1番に関しては2週間前の記憶も新しいペルトコスキN響の同曲と比べても、ホール、オケとの相性なども含めて私は総合的にはカネラキスを取りますね。また別のプログラムで聴いてみたいです。