指揮=ケント・ナガノ

ピアノ=ベネデット・ルポ


野平一郎:織られた時IV〜横浜モデルニテ(委嘱新作/世界初演)

モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番 ハ短調 K. 491

シューベルト:交響曲第8番 ハ長調 D944「グレイト」


ケント・ナガノが読響に初の客演。在京オケには39年ぶりとの由。

この日はダブルヘッダーでしたが、一つ目の整理がついていないので、まずは常識的な演奏会だったこちらから。


1曲目は今年作曲された現代曲ながら、オーケストラの響きが深い。14型でもずっしりと響きます。作曲者も1階客席にいて、舞台に呼ばれていました。

続くモーツァルトの独奏は初めて聴くイタリアのルポ。

弱音の粒立ちが美しい。内省的でモノローグのように聴こえました。

ソリスト・アンコールはラヴェルの亡き王女のためのパヴァーヌ。こちらはフランス風のキラキラしたというよりは、低音をしっかり響かせた演奏だったように思います。


シューベルト「グレート」は16型、50分ほどでした。1楽章の繰り返しはたぶんなかったと思います。弦の重厚な響きが印象的、ピリオド奏法とは無縁。金管はホルン2、トランペット2、トロンボーン3。

冒頭の序奏はゆっくりしていましたが、主部に入ってからは快速テンポで、ずっと駆け抜けた感じです。余計なパフォーマンスや見栄はないのが良い。

2楽章終了時点で再度チューニングがありました。


長身のナガノの指揮姿や立ち居振る舞いが美しい、全ての動きが理にかなっているという感じで、ここぞというところでは大きく振りかぶって、後はオケに委ねているかと思えば、パートごとの受け渡しの細部でさりげないキュー出し、どう次の音を出すのかが明確な指示でした。スコアは見ながらでしたが、鳥の目と虫の目を持っている安心感。きっとオーケストラの方もやりやすかったのではないかと想像します。


このオケのドイツ人の監督よりも、よほどずっしりと響かせる印象。都響のギルバートもそうですが、長年のドイツ語圏でのポスト経験がそうさせるのでしょうか。


木曜日のマーラー7番は私は聴けないのは残念ですが、行かれる方は楽しんでください。