指揮:チョン・ミョンフン(名誉音楽監督)

カルメン:ステファニー・ドゥストラック

ドン・ホセ:マシュー・ポレンザーニ

エスカミーリョ:アンドリー・キマチ

ミカエラ:スラーフカ・ザーメチニーコヴァー

スニガ:木村善明

モラレス:小林啓倫

ダンカイロ:北川辰彦

レメンダード:村上公太

フラスキータ:砂田愛梨

メルセデス:藤井麻美

合唱:新国立劇場合唱団(合唱指揮:冨平恭平)

児童合唱:世田谷ジュニア合唱団(児童合唱指揮:掛江みどり)

フラメンコ:南風野香スペイン舞踊団(出演:南風野香(振付)、井上圭子、谷 淑江、奥濵春彦)


ビゼー/歌劇『カルメン』


幸せな2時間半余り、名曲の名演でした。

チョン・ミョンフンは全曲暗譜、基本早めのテンポでオーケストラをスケール大きく立派に鳴らしながらも細部も揺るがせにせず。全編これ聴きどころという感じです。

スペイン情緒満点の音楽は、登場人物の感情が音楽の調で見事に語られます。


ステージの前面には演技用のスペースが設けられ、衣装もオペラ劇場でのようにカラフルで、オペラ同様の演技やフラメンコまであったのは良かったです。合唱も多少のアクションをつけていました。


今回はアルコア版で全曲ではなく、ところどころストーリーが急展開に感じられたところはカットしていたようです。


歌手は6月のスカラ座でのキャストをそのまま東京に持ってきたとのこと。

カルメン役のドゥストラックは役に合わせてあえて荒っぽさを交えて自由奔放に演じていたのではないかと思いました。第2幕冒頭のボヘミアンの唄では出だしゆっくり、中間部からテンポを上げカルメンの踊りとカスタネット、フラスキータ&メルセデス姉妹の歌とフラメンコの追い込みはわかっていても興奮します。


歌手の中ではミカエラ役のザーメチニーコヴァー、特に美しく突き抜けて通る高音が素晴らしく、そしてフラスキータの砂田さんのお二人が圧巻でした。

プログラムでの「ほぼ完璧なオペラ」というマエストロの説明には同意ですが、3幕の最後、ドン・ホセのポレンザーニがカルメンへの未練が断ち切れない部分だけは、カットが多くストーリーがスピーディーに進んでいく中で、長くてしつこいなぁと思いました。


マエストロのカルメンは4月韓国でも演奏会形式で行われており↓、取り上げられている曲や、舞台設定、配置はほぼ同じですので雰囲気は感じられると思いますが、オーケストラの鳴らせ方は東京フィルと近似、タイトルロールの歌手以外とオーケストラのソロは東京の方が良いといった印象でした。3幕開始の間奏曲、ハープと透明なフルートは絶品でした。


https://www.youtube.com/watch?v=homKXPhQxow


年3回、チョン・ミョンフンが東京で聴ける奇跡。スカラ座のシェフになっても客演を続けてもらいたいものです。