9/5 東京文化会館
指揮/大野和士
ピアノ/ポール・ルイス
演奏/東京都交響楽団
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番 ハ短調 op.37
アンコール シューベルト :ピアノ・ソナタ 第21番 変ロ長調 D.960より 第3楽章
ブルックナー:交響曲第7番 ホ長調 WAB107(ノヴァーク版)
9/8 ヤマハホール
ポール・ルイス -シューベルト ピアノ・ソナタ・シリーズ Ⅱ
シューベルト
ピアノ・ソナタ第9番 ロ長調 D.575
ピアノ・ソナタ第20番 イ長調 D.959
ピアノ・ソナタ第21番 変ロ長調 D.960
イギリスのピアニスト、ポール・ルイスのコンチェルトとソロリサイタルを聴いた。
以前から聴いていたが、しばらくタイミングが合わず10年ぶりとなる。前回もシューベルトだった。
いい意味で変わっていなかった。
背筋をピンと張った姿勢で素っ気なく虚飾を排したミニマルな動作、それがそのままストレートに硬質の純度の高いクリアな音として出てくる。
パフォーマンスやハッタリがなくてもピアノは聴かせることができる。
アンコールはシューベルト、早めのテンポ。
ソロリサイタルは、シューベルトのソナタ集を銀座のヤマハホールで。初めての訪問。
ふだんピアノをリサイタル用のホールで聴くことがないので、大ホールで聴くのと比べて直接音が強く、音もやや飽和気味に聴こえる。小さなホールでは響き方が当然違うが細部まで音が聴き取れ、低音部の強奏の際は金属的な残響も聴こえた。ペダルを踏む割合は多いように見えた。(数値的な根拠はありません)
聴きものは後半の21番。冒頭の主題での中音部のメロディーの粒立ちと高音部のトリルの美しさ、2楽章は沈潜とした内省の音楽、3楽章はオーケストラとの共演でのアンコールと同じ快速テンポでのスケルツォ、4楽章はクライマックスのフィナーレに向けて畳みかけていく迫力と、聴かせどころが満載。40分ほどが文字通りあっという間。
31歳で亡くなった作曲家の死の一年前になんという才能だろう。そして人生は短い。
また次回来日でも聴きたいピアニストです。