東響も新シーズン開始。ノット監督が任期残り2年で契約更新せずとの発表があったのだが、後任は誰になるのだろう。若いうちから呼んでいた常連のヴィオッティやウルバンスキになってくれるといいのだけど、今や欧州で売れっ子だからどうかな。


今回はフィンランド人のサカリ・オラモの客演で、フィンランドの3曲、うち珍しい声楽付きの曲が2つという趣向だ。後半はドヴォルザーク8番。


特に前半はラウタヴァーラとサーリアホの現代曲。Youtubeで事前に見たが、ミッコ・フランクの演奏があるだけでこの2曲はもう2度と実演では聴けないだろう。


ラウタヴァーラのカントゥス・アルクティクス (鳥とオーケストラのための協奏曲)、鳥の録音が入るところはローマの松を思い起こさせるが、出番はそれより多い。ホールの中に自然が入ってくるのは新鮮だった。

サーリアホのサーリコスキ歌曲集は2年前にネルソンス&ボストン響と、今日と同じ独唱はフィンランド人のアヌ・コムシで世界初演され、今回は日本初演。

隣席の方がよくわからない曲でしたわね、と話しかけてきたがまさにその通り。

音階を辿るだけの発声もあり、馴染みのないフィンランド語での歌なのに歌詞対訳がなく、プログラムの解説を読んでも何を歌っているのかさっぱりわからない。


休憩を挟んで衣装を変えたコムシが再び登場し、今度はシベリウスのルオノンタール。これはフィンランド語のちゃんとした歌詞があり、弦のトレモロはシベリウスらしいものだったが肝心の歌詞は他の欧州言語と全く異なるので聴いても何もわからないのが大部分の聴衆では。

しばらく前はジョージア語の難しい文字原文まで載せて対訳をつけていたのに。定期演奏会なのだから、ちゃんと訳はつけてもらわないと困ります。

コムシの歌は2曲とも幅広い音域と音量の強さが圧巻で、今度はもう少し馴染みのある歌曲で聴いてみたい。


後半のドヴォルザーク8番。

14型通常配置、スタートは良かった。冒頭のチェロは朗々と美しく、今日は前半から出番の多いフルートのソロも重奏も素晴らしく、2楽章のフルートの後の静かなクラリネット重奏も良かった。

オラモは1楽章の半分過ぎたあたりで急にギアを上げて加速し、4楽章は冒頭のトランペットをロシアかアメリカのオケかのように強奏させたり、ヴァイオリンには頻繁に指示を出して強く速く進めていって、いつもの東響の繊細さが消えてしまった。最後も煽って爆演で終了。

個人的にはテンポの揺れと、この曲の美しいメロディーやハーモニーがあまり楽しめなかったかな。