とんとんです。


看護師に成り初めの一年目に経験したこと。


日勤から準夜勤務の人に申し送りをしたあと、ナースステーションで、記録を書いていたときでした。


40代のKさん。

担当していたのは1年上の先輩看護師。


急に廊下がバタバタし始めて、心電図のモニターが40を切った。


『あ、これ止まる』


その時すごく怖くなった。


まだ40代。

子どもも配偶者もいるKさん。


40を切った心電図をただ見つめて、Kさんの無念を思った。


悔しいだろうな。

またやりたいこと、見たいもの、伝えたいことあったろうな。


それを無惨に切り取られる『死』。


その瞬間を感じた時、私はとても怖かった。


病棟で人が亡くなるのはこれが初めてではなかった。


でも、未だにこの心電図は忘れられない。


一つ上の先輩看護師が、バタバタとしていた。

担当の医師もやってきた。


心電図だけで、その人の死を感じたことも怖かったのかもしれない。


無機質な、機械の音。

非情だなぁ。。。



伸ばしても、伸ばしても、この枝は空に触れられない。
非情だなぁ。。。