こんにちは。

 

毎週火曜日に更新しております大阪・関西万博の入場者数のまとめ記事、第9回をお送りします。

 

先週の記事をご覧になりたい方は、こちらをどうぞ。

 

 

閉幕も近づき、とりあえず券が余った人たちで入場予約の取り合いになり、結局予約できなかった人は券を持っているのに入場すらできないという問題が発生し、当日入場券を求めて日が登る前から会場で並ぶ(でも大多数の人は確保できず)といった異様な状況が続いております。場内でも「楽しい」という人がいる一方で、大混雑で見たいものが見られないといったことも発生しているようです。

 

そんな万博もあと1週間を切りました。入場者数のまとめを書くのもあと数回になりました。

 

協会が正式に公表している目標入場者数は2,820万人。

ここに到達するかどうかが成功・失敗の判断基準の一つであると思っていますので、毎週月曜日に万博協会が公式発表している入場者数と、目標入場者数に対してどうなっているのか、10月6日に発表された10月4日までの情報を集計しました。

 

なお、万博協会はいわゆる「一般の入場者」に加え、AD証で入場している「関係者」の合計人数で発表しています。「一般の入場者」+「関係者」=合計入場者数として発表するもんだろう?という意見に対して、万博協会は「合計入場者数」を発表し、「関係者」は内数として発表しておりますね。要は「本当の入場者数を知りたかったらテメーが引き算しろ」とでも言わんばかりなんですね。

こういう万博協会が、私は本当に嫌いです。

 

以下で記載する「入場者数」は、実質の入場者数となります。

9月28日〜10月4日までの入場者数の実績値は、こちらになります。

開幕以来の実質累計入場者数は23,613,601人となっています。この1週間の合計入場者数は1,540,884人、1日あたりの平均入場者数は220,126人となりました。

前週が入場者数は1,546,234人でしたので、対前週で0.3%減少となりました。

 

対前週で減少に転じてはいますが、流石にこれは誤差範囲。これ以上大きな増加もないし減少もないと思いますので、減少したからと言ってゴタゴタいう気はございません。

 

会期184日間のうち、10月4日で175日経過しましたが、開幕以来の平均入場者数は何人かと言いますと、134,935人。ここ数週間は連日20万人越えだというのに平均で慣らすとこんな数字になってしまうんですね。いかに前半で大失敗してしまったかということがわかるかと思います。

 

それでは、入場者数2,820万人を達成するためには、残り期間で1日あたりどれくらいの入場者数が必要かを計算してみましょう。

 

これは2,820万から累計入場者数を差し引き、残り日数で割れば算出されます。

10月4日現在の状況は以下の計算式となります。

 

(28,200,000人 - 23,613,601人) ÷ 9日 =

約509,600人/日

 

ということになります。万博協会は既にこの「2,820万人」という数字を忘れてしまっていると思うので、私は毎週書かせていただいています。この数字は後にも触れますが重要な数字なのです。

 

さて、ここ最近「万博が黒字の見通し」というニュースが飛び交っています。

万博の運営費をカバーするための人数として、開幕前に万博協会が言っていた数字は「2,200万人」でした。この人数を9月27日に達成したとして、吉村大阪府知事が喜んでおります。

 

 

読売新聞でもこんな記事が。

 

ところが、ですよ。ここには大きな落とし穴があります。

 

私は、やれ大屋根リングに340億円かかっているから、地下鉄などのインフラ整備に1兆円以上かかっているから絶対赤字だ!なんてことはあえて言いません。

 

まず、運営費っていくらなの?という話からします。

 

運営費の中身は、会場管理費516億円、事業運営費155億円、営業関係費95億円、輸送管理費184億円、管理関係費207億円の合計1,160億円です。これを入場券の売上969億円、そのほか収入で191億円で賄う、というのが計画です。

 

この1,160億円という数字がいつ試算されたかというと、2024年2月のことです。万博協会が2024年3月1日付で作成した「博覧会協会における運営費予算執行管理について」という資料に書かれています。

 

それまでは809億円と見ていた運営費でしたが、人件費の高騰や韓国での雑踏における死亡事故などを受けた警備の増強などが織り込まれ、1,160億円になっています。

 

万博協会はこの費用のほとんどを、969億円の入場券売上で賄うとしているのですが、この969億円という金額は、入場想定者数2,820万人として、通期パスなどで何度も来場する人を想定して入場者の80%がチケットを買うと推定して「2,200万人」という黒字ラインを設けています。

 

ですから2,820万人という数字はとても重要な数字ですし、勘の良い方なら既にお気付きの通り、黒字ラインと言われる2,200万人という数字は、あくまでチケットを購入する人数のことであって、入場者数ではないのです。

 

吉村知事はここをごまかしているんですね。騙されてはいけません。

 

更に。2024年2月に万博開催時期を見越して人件費や諸費用を見直した訳ですが、そこから実際に万博を開催した結果、1,160億円という運営費は守られているのでしょうか?

 

これは閉幕してからの会計結果を見ないと分かりませんが、どうですか?杜撰な万博協会が予算を守ると思いますか?過去の国家級のイベントで、費用が当初予算内に納められたことがありますか?

 

入場者数2,200万人が黒字ラインという「ウソ」は、何も吉村知事だけが言っているわけではなく在阪を初め在京のメディアやネットメディアまでが伝えています。あくまで2,820万人の入場者があって運営費が賄えるという、1年半前の算段に基づいたものであることは、ここでお伝えしておきたいと思います。

 

ということで、今週はここまで。万博開催期間も残り少なくなり、ラストスパートといったところですが、今週後半には台風が来るかもしれないという予報もありますので、どうなることやら。

 

来週もこの話題をお送りしたいと思います。それでは、また!

 

 

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