こんにちは。
大阪・関西万博の入場者数のまとめ記事、第4回をお送りします。 前回もそこそこ好評をいただきましたので、このまま万博終了まで続けていきたいと思います。
先週の記事をご覧になりたい方は、こちらをどうぞ。
万博協会が正式に公表している目標は、入場者数2,820万人。
ここに到達するかどうかが成功・失敗の判断基準の一つであると思っていますので、毎週月曜日に万博協会が公式発表している入場者数と、目標入場者数に対してどうなっているのか、9月1日に発表された8月30日までの情報を集計しました。
まずは8月24日〜30日までの入場者数の実績値です。
(クリックすると拡大されます)
「入場者数(発表)」は、AD証で入場した「関係者」を含む人数、「入場者数(実質)」は、総入場者数から関係者を除いた人数となります。以下で記載する「入場者数」は、実質の入場者数となります。
実質累計入場者数は16,571,256人となっています。この1週間の合計入場者数は1,054,631人、1日あたりの平均入場者数は150,662人となりました。
前週が入場者数は989,585人でしたので、約6.6%増加となりました。
この週は8月最終週。学生さんにとっての夏休みの最終週でしたから、平日もそれなりの入場者数があったようですね。
次に参考データとして、開幕日から8月30日までの曜日別の入場者数をご紹介します。
この週も火曜日を底にして日曜日に向けて増加する傾向は続いていましたので、大きな変化はありません。
さて、万博協会が目標に挙げている2,820万人に対する入場者数は?ということについてですが、前出の通り8月23日までで実質累計16,571,256人。目標入場者数に対して58.76%です。
会期184日間のうち、8月30日で140日目となり、日程の約76%が終了した状態ですので、入場者数が増えてきたとは言え、目標に向けては赤信号が灯っていると行っていいでしょう。
それでは、入場者数2,820万人を達成するためには、残り期間で1日あたりどれくらいの入場者数が必要かを計算してみましょう。
これは2,820万から累計入場者数を差し引き、残り日数で割れば算出されます。
8月23日現在の状況は以下の計算式となります。
(28,200,000人 - 16,571,256人) ÷ 44日 =
約264,290人/日
1週間前の必要入場者数は248,694人/日でしたから、もう厳しいですね。
8月31日の産経新聞のオンライン版でも、2820万人は事実上困難という記事が載っていました。
もっともこの記事、「黒字化ライン2200万人は到達か」と見出しにも書かれているのですが、ここでいう黒字化というのはあくまで運営費(1160億円)だけを指していて、会場建設費(2350億円)、警備費(運営費の範囲で賄う予定が予算オーバーのため200億円が国負担に)、その他万博のために必要なインフラ費用、誘致費用、日本館の建設費用、会場の撤去作業費などなど、本当はもっとありますがこういった費用は除いた金額に対する「黒字化ライン」ということになります。いかにいい加減な「黒字化ライン」の設定か、ということがわかりますね。
ということで、いよいよ大阪・関西万博もあと1ヶ月あまり。開始直後のような10万人を切る入場者数に終わることは、よほどの悪天候や災害でもない限り起きにくいと予想はしていますが、達成はほぼ不可能、日本総合研究所が予想している最終入場者数、2500万人もかなり怪しいと言って良いでしょう。
また、万博パビリオンの工事費用未払い問題にも注目していきましょう。一般的にはそれほど知られていないと言う話もあって驚愕なのですが、万博でワイワイ楽しんでいる人たちの陰で、未払いによって子供の通っていた学校を退学せざるを得なくなった人たち、倒産まで待ったなしの工事業者がいることはもっと周知されるべきでしょう。訴訟もすでに3件提起されています。マスコミは浮かれていないでもっと報じなければならないと思います。
以上となります。閉幕までの間、できるだけ毎週火曜日に発信したいと思いますので、今後ともよろしくお願いします。それではまた来週。