現在の台湾では多くの人が自分たちは中国人で無いと考えています。ルーツが中国本土に有る人(漢民族)たちも自分たちは台湾人という考え方が支配的になっています。戦後、蒋介石と共に台湾へやって来た人たち(外省人)にもそんな考え方が多くなっています。
   李登輝 
     講演会の模様は台湾のテレビでも報道されました
留学生は李登輝さんに攻撃的な質問をぶつけます。「蒋介石や蒋経国の後継者であるあなたは、なぜ彼らの思想に背いたのか」 李登輝さんは再び中国で改革の失敗が繰り返される歴史に触れます。「中国は改革が必要だ。一番大切なのは民主主義の根を植えること」 留学生は「中国はずっと進歩し続けている。ずっと改革が続いている」と反論した。
「尖閣諸島が中国領なら証拠を出せ」と迫る 
留学生は、尖閣諸島を日本領だとする李登輝氏の主張に咬み付いた。「あなたは釣魚島は日本の物と言うが、私はあなたの立場について答えさせたい」
李登輝氏の回答は「清朝が台湾を日本へ割譲する際、釣魚台は台湾に属していなかった」と明確に答えた。
「国民党も釣魚島は中国の一部と言っている」と返す留学生に、李登輝氏は「中国人の思想は証拠がない場合が多い」と反論。「もし日本領ではなく、台湾、中 国の物と言うなら、その証拠を出してみなさい」と、学生へ一歩一歩近づいて行くと、あまりの熱意に側近らは健康状態を懸念。 会場からは拍手も起き「それは個人の見解か」と気色ばむ学生に李氏の秘書が「見解ではなく歴史」と補足した。司会もここで終了を告げ、質問 を遮ったが留学生はそれを無視。李登輝氏への憎悪の念に燃え議論に勝とうとでも思ったか質問を続けた。
「歴史の真実を知れ」と中国人にメッセージ 
「あなたの講演を聞いていると、台湾は各王朝から捨てられ、管理されなかったかの印象を受けるが、しかし三国時代の東呉の歴史には台湾の記載があり、元も 澎湖に巡検使司を置いていた。別に清の劉銘伝時代から(開発が)始まったわけではない」と、「台湾は古来中国固有の領土」との歴史捏造宣伝を裏付ける中国公式史観を持ち出した。
李登輝氏は「台湾人は元々どこからも管理されていなかったのだ(中国の領土ではなかった)」「台湾の歴史を理解しなければだめだ。台湾人は可哀想なのだ。 (外来支配を受け続けた)悲哀がある。なぜかわかるか」と聞かれ留学生は「日本が長く統治しすぎたから。思想などに影響を与えた」
「日本は台湾を近代化したのだ。これを否定してはいけない」と言うと、すかさず「台湾の近代化は米国の影響だ」と言って話を遮ろうとし留学生。そこで場内はブーイングの嵐。司会が慌てて制止する場面も。
李登輝氏は「そんなに台湾史に興味があるのか」とやさしく語りかけ李氏は「台湾は中国の物ではなく、未来の民主化のモデル」として、この学生に「民主化と自由を学んでほしい」と、 台湾史に関する書籍を留学生に贈るとともに、自身の名刺を渡した。このとき若者に伝えたのは「真実を知れ」と言うことだ。かくてこの日の講演会は終了した。

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  李登輝先生から、台湾史の本と名刺を渡される中国人留学生
かって台湾では、国民党政権による取り締まりで中国人の歴史観で捏造したが、そうしたものへ勇気を以って反論し、論破し、中国を恐れずに台湾の存在、尊厳を守り抜く姿勢の大切さを、この日大勢の学生は李登輝先生から学んだのではないだろうか。
中国人とのトラブルを恐れ、彼らの歴史捏造の前で反論を控え、かえって中国を増長させ、その結果トラブルを拡大させてしまう日本人は、李登輝先生の姿勢に学ぶべきだ。どんな場面でも、怯まないブレない先生です。かって中国に遠慮する自民党政権下で来日希望を何度か断られました。数年前に来日が叶った折、東京で意の一番に訪問されたのは靖国神社でした。クリスチャンですが戦死されたお兄様の英霊に政治・歴史観・宗教観を切り離し私人として参拝されました。兄の李登欽氏は大東亜戦争中、帝国海軍に自ら志願され機関上等兵としてフィリピン戦線で戦死されました。台湾人戦歿者(外地で徴兵はされず全て志願兵です)二万七千余柱と共に九段の靖国神社に祀られています。
「兄は亡くなって60数年、家には位牌も無ければ墓も何もない。それを靖国神社が安置してくれ、魂を鎮めてくれていることに対し、私は非常に感謝している。」