あっというまに年の暮れ。
今年は父の看護や看取り、その後の事務にあたふたしているうちに過ぎた。
退職後であったおかげで、物理的な時間がたっぷりあり、好きなだけ本を読むことができた。
とはいえ、そのテーマというのが死生観を問うものだったり、水木しげるの妖怪ものだったり、看取りや介護の経験談など、分野が偏った。
おかげで、夏川草介さんという、小説家であり医師でもあるかたの書いた医療小説に出会うことができた。高齢者医療を扱った話も多く、考えさせられる。
本との出会いは思いかけず、いつもも感心させられる。
そして先日、映画『TOKYOタクシー』を見に出かけた。
木村拓哉と倍賞千恵子主演のドラマ。
ネタバレすると、倍賞千恵子演じる高齢女性が、東京柴又から、入居予定の葉山にある高齢者施設の間の道のりを、懐かしい場所を見ながらタクシーでたどるというもの。
もちろんタクシー運転手は、キムタクである。
キムタクは、ここ最近、中年になって、テレビドラマでも渋い役を演じるようになって、好感を持てる。
映画の詳細は書かないが、最終章で、ほんの1週間前に施設に送り届けた女性が、すでに亡くなっていたという事実に驚きをかくせないキムタク。
今までだったら流してしまう場面だが、このたびばかりは、身に染みた。
「そうなんだよねえ、高齢者の体調は、実際、急変するのよね」……。
脚本家もそれを実感していて書かれたのだろうなあと思う。
通りすがりのタクシー運転手に、財産をポーンとわたしてしまうのなんて、そんなのあり?と思うが、それほどの人に最後の最後に出会えて彼女はシアワセだったのだと思う。
最後まであきらめてはいけない……というメッセージ性を感じた。
高齢者サポート事業が話題になっている。
なんと400ほどの事業所があるという。
身元保証、生活支援、そして死後事務……いろんな事情で身内に頼めない人に人気だとか。
わたしも他人事ではないので資料を取り寄せたが、いったいどれがいいのかわからない。
それなりに、トラブルも多いと聞く。
未成熟な業界のこと、今は玉成混交のようだが、そのうち淘汰されていくだろう。
映画に出て来た女性のように、好きな人に財産をさっぱりとわたし、堅苦しい施設での生活をあまり味あわないでピンコロというのも、映画とはいえ、理想的な生き方だと思う。