椅子を買いに行った。
わたしの部屋には、椅子がない。
1DKの部屋のこと、椅子なんぞ置いたら狭い空間がさらに狭く、足の踏み場がなくなりそうだからだ。
食事は文机に置いて座布団に座って済ます。
パソコンデスク用の椅子は、ベッドに腰かけて代用していた。
が、ものの本や医師によると、腰痛にとっては、床に座るよりも椅子のほうがいいらしい。
座面に深く腰かけて、背もたれに軽くもたれる感じが腰に負担をかけないとか。
床座りでも、正座やあぐらなら悪くないらしいが、わたしはどちらも苦手。
特に内またの人間は、あぐらが苦手どころか、全く不可能なのである。
背に腹はかえられない。
猛暑に足がすくんだが、電車に乗ってディスカウント家具屋に出かけたのである。
お盆休みでさぞかし込み合っているかと思いきや、朝早い時間帯のせいか、意外にすいている。
展示してある椅子も思ったより豊富だ。
あっちの椅子、こっちの椅子と「試し座り」放題。
「実際に座ってみないと座り心地はわからない」というのが試し座り後の感想。
通販で済ませなくてよかった。
見た目はおしゃれなのだが、座ってみると、背もたれが反り過ぎていて背中が浮いてしまうもの、奥行きが深過ぎて足がつかない(これはわたしの足が短いのだが)もの、背もたれやひじ掛けの部分にメッシュの付属品がたくさんくっついていてむだに場所をとりそうなもの、などなど。
こんなのは組み立てが大変そうだ。
たかが椅子、されど椅子。
選択肢をふたつに絞った段階で、あっちに座り、こっちに座りと行ったり来たり。
いつものことながら優柔不断なのだ。
試せば試すほど、わけがわからなくなる。
結局、学習机用の椅子にした。
身長150センチと小柄、やせ型には、子供向けぐらいのが意外にフィット。
座面の奥行が浅めで、深く腰掛けても足がブランブランしない。
小ぶりなために狭い部屋に置いても圧迫感がなさそうだ。
組み立ては自信がないので、オプションでお願いした。
大きな買い物をしたのは久しぶりである。
で、支払いをしようと財布を開けると、何だか違和感のあるお札が1枚。
え、あなた、もしかして北里柴三郎さん??
いつのまにやってきたのかしら。
おそらく数枚のお釣りに紛れて財布にはいりこみ、今の今まで気がつかなかったのだろう。
それにしても裏面の「1000」の文字がものすごくでかい。
高齢者に配慮っていうことでしょうか。
もちろん使うのは旧札から。
新札第1号は当分の間、わたしの財布の中で温めておこう。