大切な人やものを守るリスク管理は遅れて理解されるという宿命的な性質もある…。

 

昨年(2021年12月)に、どうしても2022年1月下旬にリアルな会場に来て講演して欲しい・主催者側はみな会場に集まるのだから出演者(この場合は講演の講師)も会場に来るべきだ・上層部から感染が少数の現状(2021年12月時点)でありオンライン出演というのは過剰なのではないかという突き上げを食らっている、といったかなり強いご要望を繰り返しお寄せ頂いていたご主催者さまが、本日、フル・オンライン開催に切り替えたのでよろしく、というご連絡あり。

 

最初にご依頼をお寄せ頂いていた当所(2021年11月~12月あたま頃)より、感染症の予測として2022年1月下旬~2月にかけて感染再拡大との予測と、さらに、その予測に考慮されていなかったであろうオミクロン株が2021年11月下旬に世界初確認されたこともあり、リスク管理・危機管理・感染症対策BCP・災害対策などを口先だけでなく実践を通じてお届けする者として、事態の急変に際し、フル・オンライン開催を進言し、フル・オンライン開催に必要な支援があればフルにご支援する旨もお伝えし、自らもオンライン出演でなければ感染を拡大させかねない側になってしまいかねないため、オンライン出演のみで対応する旨を粘り強く説得してきた。

 

それでも、出演者(この場合は講師)側のリアルな会場での講演をかなり強くご要望のため、感染拡大やご主催者さまでの感染クラスターなどでの生命・信頼のリスクを勘案し、一旦、講演のご依頼を降板・解消していた。

 

降板するほどに本気だとは思われなかったのか、ご主催者さま側にてあわててオンライン講演でいいから出演して欲しい旨と、開催自体はリアルな会場で講師以外は会場に集まって受講する、というご連絡があり、再度、出講の契約を結び直した経緯があった。

 

その後、年明けになって少しずつ感染者数が増え、ご主催者さま側から一部の受講者のみオンライン、その他ほとんどは会場に集まる形式でやるとのご連絡の後、本日、フル・オンライン開催にしました、とのご連絡。

 

ご依頼を頂けることは非常にありがたく、講演をお聞き頂けることも非常にありがたい。

 

ただ、願わくば、専門的観点からのリクエストにも、しっかりと耳を傾けて頂けていればと思ったりはする。

 

私自身が感染することを恐れているということでもなく、震災などでは交通の支障にならない範囲で折を見て現地に復興支援に行ったりもするのだが、コロナ渦中においては、いざという際にご主催関係各位のダメージが大きすぎるため、目先のお金で唯々諾々と自分の金儲けだけで受諾せず、使い勝手の悪い講師・口うるさい講師などと思われかねないのは重々承知の上で、大切なご主催関係各位の生命に関わることを大切に慮って対応していたりする。

 

平時においても、出張などでは日帰り指定できても可能な限り宿泊費なども自腹を切ってでも経路変更(バックアップ経路をとれるようにするなど)や、前泊(ホテルも会場から徒歩圏内で交通支障が生じても何とか対応しやすいところを選ぶなど)して、日常から備えと対策を少しでもマシになるようにしていたりする。

 

大切な人やものごとを守りたい想いと実践は、なかなか評価されにくく、評価されるときは悲しい状況の中というような宿命的なものを感じたりする。