
いつもサバッと気前のいい女房が、めずらしく独り占めしたいと洩らすほど、
今年の早生蜜柑は旨く、お裾分けした人から買いたいと言われ断ったそうだ、
何とも苦笑だが、それより気がかりなことがある、、
その3本が老木で2本が枯れ始め、3年前に植えた苗木の成長が、かんばしくないのだ、
このままだと後継ぎが無い俺と同じになりそうで、胸に手を組み念じてもしょうがない、
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ならばと、単管を打ち込み、枯れ枝をクランプでつかみ、
風で幹が揺れることによる細根の断裂を防ぐ処置をした、
猪に裸にされた根に土をこまめに戻してれば、こんなことには、と悔みながら、、
それにしても、なんてグロテスクな光景だ、情けない、、
朽ちる物があり、新しく命が芽生える自然の摂理に、こだわってたくせに、
いつのまにか胃が無いカタワ者の俺と老木が同期して、
振り下ろす大ハンマーの金属音が、天国に、こだました、
ところが2月に入り、なんだか腸子が悪くなった俺は、食欲も無く、
ズルズルと退院時の貧弱な体に引き戻された、
右下腹部の重い痛みを新たな癌と疑うほど気が弱くなった俺は、
もがきながら勝手な自分を反省した、、
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雪が溶けた、うなだれてた白菜がモリモリ空に開いてる、
頭を横に押さえナイフを根元に刺せば、シャクッと音がした、
籠に押し詰めた白菜が笑ってるみたいだ、

待ちに待った春の眺めが眩しい、
思わず、しゃがんで頭をなぜるオオイヌノフクリの青色は、じつに愛おしい、
でも、腹立たしいのが名前の由来だ、なんと、大犬の陰嚢に似てるというのだ、
ネットで調べなきゃよかった、
誰も犬のキャン玉袋なんか、なぜる奴はいない、、
ガコガコッ、竹がぶつかる音に振り向いた、風が来る、
思わず枯れ枝につかまった、、。