今年も灘受験をはじめとする関西地区の中学受験が終わり、関西方面の方々は安堵の日々かと思います。
もうちょうど2年前ですね。ガジュマルが灘受験を終えたのが。
実は、先般学校別模試の灘オープンでもお話ししましたとおり、本人の希望で関西遠征をして、灘を受験することを秋口から決めていました。従来、灘を受験する場合はSAPIXが一元的に受験生徒を引率して、新神戸駅近くのホテルを手配してくれ、前日の最後の対策と当日引率等までやってくれます。親と一緒に、受験という方々もいらっしゃいますが、やはり当日の雰囲気を味わうのも、まずは一興かもしれません。
6年生の夏休みに毎日SAPIXに通う生活を続けていて少々疲れていた様子で、8月最後の夏休み5日間のうち1泊2日で神戸旅行をパパと2人ですることになりました。ちょうど兄のトムも学校のクラス旅行で不在でしたので、2人で出かけることに弊害はありませんでした。
この神戸旅行は、実は灘中学の下見を目的として企画したものです。試験当日の飛行機で行き帰りやバスのルートなどを体験してガジュマルに覚えてもらうことを目的としていました。なにせガジュマルが物心ついてから飛行機に乗ることは初めてで、以前もお話しましたとおりで、急行と各停の電車の乗り換えもままならない子ですから、いきなり飛行機はハードルが高いかも、と少々心配でした。
神戸には、幸い私の以前の会社の同期(友人)が実家に戻って職を継いでいる関係で、息子が灘受験になった折には、お世話になるお話をしておきました。この友人は実は実家が灘中の地区でして、友人本人も灘中、灘高、東大出身です。更に凄いことにお子さんがお二人いらっしゃるんですが、ちょうどこの夏休みにお邪魔する前の年に、ご長男も東大に入学されたそうで、父子で東大一家です。ちなみにご長男の中学、高校は勿論「灘」です。下のお子さんは娘さんで昨年阪大の工学部に無事入学されています。お子さん二人共国立大学。羨ましい限りで、なんとかあやかりたい気持ちで夏休みに神戸に伺いました。
ガジュマルは、2歳の時に家族で沖縄に行った以外は、最西端が三重県の伊勢神宮です。しかも私が運転する車で行きましたら、今回の飛行機で神戸旅行はなんとも初物づくしです。羽田空港からJALに乗って大阪伊丹空港。そして三宮に向かって高速バス。そして三宮からJRという行程です。流石に高速バス三宮のバスターミナルからJR三宮駅の乗り換えは小学生6年生にはきついと思い、三宮のバスターミナルで友達に迎えてもらうようなお願いをしました。ここまで話をさせていただき、お気づきの方もいらっしゃると思いますが、本番の灘受験をガジュマル一人で神戸の私の友人宅に行かせ、そこで友人ご夫婦に灘受験の送迎とお泊りをお世話になるという計画でした。
夏休み最後の日曜日の神戸は、やはり残暑厳しき夏の神戸でした。朝一番の飛行機で伊丹空港に到着して、伊丹空港を出たあとのバス乗り場がかなり多くてこの番号で三宮駅行きのバス乗り場が一番の関門でした。ここさえクリアできればあとは友人が引き取ってくれるので、ここの空港後のバスのりばを丁寧に説明をしました。最近はスマホがあって、要所要所を写真に収めれば、何かあった時にも光景がしっかり写真に収まっているので安心でした。もっともこうした写真を見る技術を駆使して効率的にかつ安全に動く兄トムと違って、ガジュマルは出たとこ勝負の子なので余計に気を遣いました。
神戸に訪問した時に、友人ご夫婦は歓待してくれました。灘中・灘高訪問が本来の目的だったんですが、六甲アイランドや新神戸駅側の公園など海から山から神戸を一望させてもらい、ガジュマルも初めての神戸でしたが、コンパクトに纏まっていて綺麗な街並みのイメージがかなり気にいっていたようでした。
灘にはJR住吉駅から歩いて10分弱歩いたでしょうか。ここの学校の正門で待ち合わせをして、校内に入りました。幸い友人は灘卒業生で、奥様は昨年まで長男の保護者として通っていたので、勝手知ったる学校で微に入り細に入りいろんなことを教えてくれました。学校の印象としては、建て直しを終えて綺麗な校舎に変わったそうで、友人は綺麗に改築された校舎は初めてとのこと。卒業生で保護者の父にもかかわらず、物珍しそうに見ていたのが印象的でした。緑も各フロアに窓際に配置され、廊下が広く、更に職員室の前の廊下には長い椅子と机らしきものが敷設されていてここでみんながたむろする、先生方とも話し込む場になっている、なんていう話を聞いてガジュマルも俄然これまでの灘のイメージとは違った感覚を持った様子でした。校舎以外にもグランドが広々として、野球場にサッカー場と共に人工芝となっていました。これもまた魅力的でした。その日は夏休み最後の日曜日だったんですが、高校の硬式野球部が練習試合をしていました。びっくりしたことに練習試合を校長先生が観戦されていて、友人ご夫婦は急遽ご挨拶をしていました。なんという偶然なんでしょう。
こうして短い夏休みの旅行が灘下見&友人ご夫婦へのガジュマル顔見世の機会が終了しました。本当に短い夏休みでしたが、充実した一日半でした。
本番試験の前日金曜日、兄トムと私でガジュマルを羽田空港へ送りに行きました。JALは国内線小学生一人の旅には必ずグランドホステスの方、機内ではフライトアテンダントの方が担当でついていただき、目的地まで確実に届けるサービスがついていました。羽田空港搭乗口ゲート前で分かれて機内にガジュマルは入っていきました。飛行機は無事に大阪伊丹空港に飛び立っていきました。
灘中学の受験に通ることがもっとも重要なことですが、無事に友人宅に着くこと(正確には三宮バスセンターにて友人に会えること)がまずは第一関門でした。最初で最後の受験の年に何をやっていたのでしょう。ですが、無事に三宮駅にて友人に逢えた連絡があり、頑張ったガジュマルにLINEでエールを送ってやりました。
さあ、明日は第一日目です。頑張れよ、ガジュマルという思いで布団の中に入りました。