実話…… | こーしのひそひそ話

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乳癌に罹患 心臓弁膜症 と病気持ちですが 心までは病気持ちではありません!明るく毎日生きてくための吐き出し!北海道で生まれ育った還暦ばーさんのぐだぐだブログっす



ある男性が山道を夜遅く車で走っていると

前方に リュックを背負った7〜8歳くらいの男の子がトボトボと歩いていました


追い越したけど


うつむいて歩く姿が気になり


車を停めて その子に声をかけました




ぼくぅ?こんな遅い時間にどこへ行くの?



するとその子は 顔を上げ


家に帰るところです


と答えました



民家はまだ先。



男性は



遠いの? おじさんが送っていこうか?



そう言うと その子は


ホッとした顔で 本当ですか?ありがとうございます!

と、頭を下げました



後部座席に乗せて


山を降り、その子が言う家の前で


その子をおろしました


おじさん!ありがとうございました!



また頭を下げて挨拶し 家の前でずっと手を振って見送ってくれました





何気なく後ろの席を見たら

男の子が背負っていたリュックが

後部座席に置いたままになっていたので



男性は引き返し


その家のチャイムを鳴らしました




夜分すみません!お宅の息子さんを車に乗せて送ってきたものなんですがリュックを忘れてたので…………



と、インターフォンに話すと


えっ!? という声のあと


玄関の灯がつき


ドアが開けられました



そこにいたのは40代ほどの男性



そして


リュック? とは……? と言います



あ、これ なんですが…………とリュックを見せたら



あぁ………… と言ったあと


ここではなんですから


中へどうぞ ちょっと確認してもらいたい事が…………


と言うので



はぁ……あ、はい…………



そう言うと男性は その家の居間へ通されました



そして 


家主に 車に乗せたのは


この子でしたか? と指さしたところは




仏壇の遺影でした




男性は 絶句しました

遺影の中で笑ってる男の子こそ、



車に乗せた子だったのです



家主は



詳しく話を聞いたあと


この子は あの道で 昆虫取りをしてた帰り道 車に轢かれて 亡くなったんです

ですが


背負っていたはずのリュックが どこを探しても見つからなくて……



今でもまだ 探しに行っていました…………


きっと……私が探しているのを知って 届けに来てくれたんでしょうね



そう言って家主は泣かれました



男性も 驚きと 切なさで 涙が溢れました



それから男性は

その子に お線香を上げ、リュックを家主に渡して



帰路についたそうです