皆さんは、ご自分が死んだら どんな風にしてもらいたいと思っていますか?
今から数年前、弟から夜11時少しまえに電話が来ました。
お袋に腹が立つ!自分が死んでも葬式するなって言いやがった!
と、興奮してる。
その時の母は、まだ元気で85歳ぐらいだったけど 弟は 飲んでるときに 葬式なんかしない!と言った母にぶちギレしたそうだ。
だから 弟に 『もう、歳なんだから そうか、わかったよ、って言っておけばよかったじゃん。バカだねぇ。死んだら文句言えないんだから そのときうちらみんなで考えたらいいのにさぁ』
と言ったけど
そのときは現実にやって来た。
亡くなる一週間ほど前、自宅のソファで寝ていた母が ふいに
『ママが死んだらね、葬式とかしなくていいからね。そして、小樽のお寺も引き払ってきて パパの骨と一緒に 市の合碑に入れてね』
と言った。
また弟が何か言おうとしたから、止めて、
『そうなの?それでいいなら、そうするよ?お寺、引き払っていいんだね?』
というと、うん。と言った母。
おそらく 子供のいない弟たちに お寺の維持をしてもらうのも申し訳ないと思ったんでしょうね。
でも 亡くなったあと、弟と話して 小さめの葬儀をしました。
母が好きなユリの花と胡蝶蘭を写真の回りに添えてもらえました。
何より 母を慕ってくださった皆さんが集まり、母を偲んでくださいました。
母が望むような 葬儀なし!は、叶えてやれませんでしたが
子供として ちゃんとやるべきことをやりました。
さぁ、私は、どうしよう? 三女に『おかあが死んだらね、好きにしていいよ?
葬式とかやるならやってもいーし、やらなくてもいーしね。
お金、ないからやらなくてもいいよ。
でも10万くらいはかかるから、それぐらいは出してよね~』
と言ったら
『10万ぐらい用意しとけよ!』だって。
母の葬儀、私たちが支払った葬儀社へのお金、ありませんでした。すべてのことが、香典で賄えました。
とてもありがたいことです。
私が死んだからとて 香典がたくさん集まる訳でもなく
たくさんの人が来ることもないだろうから
私の葬式は、遺された子供たちに任せることにしました。
長女夫婦がきっと仕切る事でしょうね。
任せて 私は、父と母の待つところへ行きましょう。
早く死にたい、とは 言わないけれど
両親がもう いない今、
いつ死んでもかまわない って思うようになりました。
実家に行って帰るとき
いつも 見送りに出てきた母の姿を思い出して
そこに姿がないことに 胸が苦しくなって
運転しながら 泣いてばかり。
親に死なれるということが
こんなにも辛いことだったなんて
夢にも思いませんでしたから
会えるなら
死ぬのも怖くないな
って 今は、思えます。
