「クリックフィックス」には、主に二つの意味があります。一つは自転車用のアタッチメントシステム、もう一つはサイバー攻撃の手法です。
自転車用品の「KLICKfix(クリックフィックス)」
KLICKfixは、ドイツのRIXEN & KAUL(リクセン&カウル)社が開発した、自転車のハンドルやサドル、フレームなどにバッグやカゴをワンタッチで着脱できるアタッチメントシステムです。
自転車本体に専用のアダプターを取り付けておくことで、対応するバッグやバスケットを「カチッ」と音を立ててはめ込むだけで、簡単に、そして確実に取り付けることができます。取り外す際も、赤いボタンを押しながら持ち上げるだけでスムーズに行えます。
主な特徴については、買い物やツーリングの際に、バッグを簡単に取り外して持ち運べる手軽さが魅力です。また、ワンタッチ式でありながら、走行中にぐらついたり外れたりしないよう、しっかりと固定されます。
それに、リクセン&カウル純正品だけでなく、他の多くのメーカーからもKLICKfixシステムに対応した多様なデザインや機能のバッグ、バスケットが販売されています。加えて、ハンドルバー用、シートポスト用、サドルレール用など、自転車の様々な場所に取り付けるためのアダプターが用意されています。
これらの利便性から、通勤・通学、サイクリング、買い物など、幅広いシーンで活用されています。
一方、サイバー攻撃の「ClickFix(クリックフィックス)」については、ClickFixは、2024年頃から確認され始めた新しいタイプのサイバー攻撃です。ユーザーを巧みに誘導し、正規の操作を装って、利用者自身に悪意のあるコマンドを実行させる手口です。
手口の概要は次のようになります。攻撃は、フィッシングサイトなどへユーザーを誘導した後、「あなたがロボットでないことを証明してください」といったメッセージと共に、一見無害に見える操作を要求するのが特徴です。
例えば、複数のキーを同時に押すように指示したり、特定のテキストボックスに表示された文字列をコピーして別の場所に貼り付けさせたりします。しかし、これらの操作は、裏ではパソコンにマルウェアを感染させたり、情報を盗み出したりするためのコマンドが実行されるように仕組まれています。
脅威と対策について、ユーザーが自ら操作してしまうため、従来のセキュリティソフトでは検知が難しい場合があります。不審なサイトやメールで、普段行わないようなキーボード操作やコピー&ペーストを求められた場合は、安易に実行せず、詐欺を疑うことが重要です。