ヴォイニッチ手稿は15世紀、(放射性炭素測定では、1404年から1438年頃)に作られたとされていますが、独自の未知の文字で書かれており、世界最高峰の暗号学者やAIをもってしても、未だに完全な解読には至っていません。
そこから導かれるのは、結論を言うと、「何が書かれているかは、今も正確には誰にも分かっていない」というのが実情です。しかし、ページに描かれたたくさんの「挿絵」から、内容ごとにいくつかの章に分かれていることが推測されています。
挿絵から推測されるセクションは、6つの分野に分かれます。手稿は描かれているイラストの特徴から、次のように研究が進められています。「研究」とは言いましたが、研究かどうかは不明で、無知な人類へのメッセージである可能性もあります。
1,植物学の章(全体の大部分)
架空、あるいは実在のものをデフォルメしたような、奇妙な植物のイラストが描かれています。根、葉、茎の構造が細かく描かれていますが、現代の植物学者が調べても、地球上に実在のものもあるが、ほとんどは特定できないものです。
2,天文学・占星術の章
太陽や月、そして星の配置図が描かれています。中には、牡羊座や牡牛座といったお馴染みの「黄道十二星座」のマークと、それを取り囲むように配置された人物のイラストが見られます。
3,生物学の章
複雑に絡み合った不思議な管や、緑色の液体で満たされたプールのような場所に、裸の女性たちが浸かっている奇妙なイラストが多数描かれています。当時の解剖学や、温泉による医学的治療の湯治を表しているのではないかと考えられています。
4,宇宙論の章
円状の複雑な図形が描かれており、中には折りたたまれた大きな展開図のページもあります。地図や、当時の宇宙観や世界観を表した曼荼羅のようなものとも言われています。
5,医薬学の章
根や葉などの植物のパーツと、それを保存するための薬壺のような容器が並べて描かれています。薬草の調合方法などが書かれている可能性が高いとされています。
6,処方箋の章
イラストがほとんどなく、テキストだけが箇条書きのようにびっしりと並んでいます。何らかの命令文や、料理や薬のレシピではないかと推測されています。
このような6つの章からなるヴォイニッチ手稿が。一体何なのかについては、長年さまざまな説が飛び交っています。主な「解読説」を紹介します。
1. 本物の未知の言語や暗号説
ラテン語や古代の言語、あるいは絶滅した言語をベースに、複雑な暗号コードや独自のアルファベットを使って書かれたという説。言語としての単語の登場頻度など規則性を持っているため、でたらめではないとする研究者が多い。
2. 15世紀の「天才的な偽造」説
当時、珍しい古文書は貴族や王族の間で高値取引されていました。そのため、「それっぽい本」を作って一儲けしようとした詐欺師や錬金術師が、意味のない文字を並べて作った「中身のない本」だという説です。
近年、AIを使った言語解析も行われており、「ヘブライ語がベースではないか」「文字の並びが中世の特定の言語に酷似している」といった発表が時折ニュースになりますが、どれも他の研究者を納得させる決定打にはなっておらず、謎は深まるばかりです。