先日、Tom's labの試聴室にて

雑誌「ステレオ時代neo」(サンエイムック)の

取材がありました。


先回(vol.9)のNS-10Mの開発者斎藤陽造さんへの取材に続き、

「ヤマハPX-1, NS-10M, CD-1 名機の裏側にいた男」と題して、

全盛期のヤマハのオーディオ機器に関する評論家やメディアへの対応、

更にはジャズコンサートなどの音楽文化に深く関わってきた

山東正彦さんへの取材でした。


 

私がヤマハのオーディオ機器の開発担当者だった頃、

我々技術者から見た山東さんは、

雑誌などでよく見かける有名なオーディオ評論家と渡り合える、

ある意味芸能人の様な憧れの人だったのですが、

今回の取材で、山東さんが担当していた職務は、

当人のたぐいまれなる才能と誠実さがあったからでこそ

成り得た職務だったことが分かった。

 

取材中何よりも驚いたことは、

当時お付き合いをさせていていたオーディオ評論家の方々

(当時は60人位いたとのこと)の名前と住所、

更にはその方々が所有しているオーディオ機器の詳細、

好みの音楽など、全て記憶していたとのこと。

 

また、新商品の仕様や技術内容などを取得するために関わった

多くの技術者の名前を覚えているだけでなく

氏名を漢字で書けること。

 

このハイレベルな才能は今でも持ち合わせている。


取材の対象となるヤマハのオーディオ機器

(NS-10M, NS-1000M, C-1, B-1, HA-2, PX-1, PX-2, PX-3, GT-2000, CD-1等)

に関する情報もさることながら、

人との出会いや音楽文化との関わりなど、

山東さんの人生そのものが描かれています。

 

     

 

     

 

     

 

 

皆さん、ぜひ本屋さんでステレオ時代neo vol.10を購入してご確認ください。

 

 

最後に、

今回の取材で個人的に感銘を受けたことがあります。


それは、

山東さんを近くの駅までお迎えに行った時の車の中で、

「谷脇さんは何歳になられましたか?」と

山東さんから質問を受けたので、

「今年72歳になります。

70歳ころから気力と体力がなくなり、現在何をするにも大変です」

と答えた。

すると、「何言ってるんですか、私なんか今年86歳ですよ。

この年になってもジャズコンサートの企画など昔と同じように頑張っています。

好きな事なら高齢になっても頑張れるんですよ。

それに伴うある程度のストレスはあるのですが、

これが高齢になってもボケない為の糧になるのです」


この言葉が私の体に刺さりました。