我が家の4Way speaker system用のデジタル・マルチ・アンプDA504MとDP504Mについて、以前このブログにて試聴結果を投稿しましたが、その投稿を見て、是非このシステムを聴いてみたいと申し出ていただいた方がいました。


その方(埼玉県飯能市のOさん)は、普段主にハイレゾ音源再生を楽しまれている方で、今回は最近手に入れられたというオーケストラの曲データ持参でご夫婦でおいでいただきました。
 

以前のブログ
https://ameblo.jp/tomslab/entry-12598301043.html
https://ameblo.jp/tomslab/entry-12627011780.html
https://ameblo.jp/tomslab/entry-12677201968.html

 

まずは耳慣らしにTom's labのリファレンス試聴曲:KENNY G CLASSICS IN THE KEY OF Gより STRANGER ON THE SHORE 


この曲は、美しい音色の楽器が低音から高音までバランス良く入っており、何より3分という長さが視聴者の負担にならず丁度良いのです。


次に、先回の試聴で、素晴らしいライブ録音が気に入っているSADAO 2019 Live in Blue Note TokyoよりCHEGA DE SAUDADE


こんなに気取らない音で良いのかと思ってしまうほどリラックスした渡辺貞夫のA-Saxの音で始まり、ラッセル・フェランテのピアノも全くEQしていない無垢のPianoの音。

しかし、ジョン・パティトゥッチのアコースティック感漂うBassがしっかり支えている。

最後のスティーブ・ガッドのDramsは繊細且つ激しく、ライブそのもののダイナミックレンジを感じさせる。

44.1kHz16bitのCDとは思えない!改めて、CDの音は録音次第と言う事を感じた。


次は、In Tempo Sadao WatanabeよりPORTAS FECHADAS


この曲はCDの12曲目のボーナストラックとして入っており、11曲目が終わってから23秒も空白部があるため、気付いていない方も多いと思われる。

同名のこの曲は6曲目にも入っているが、12曲目の方がSax、Piano、Vocal全てナチュラルで気持ちのいい音が体験できる。

超解像度のアンプで聴くと、ライブの気持ち良さが引き立つ。

 

 

次は、Oさん持参のハイレゾのオーケストラ曲。今ハイレゾ界で話題になっているクラシック曲とのこと。

 

ハイレゾ・データを聴くために、Tom's lab試聴室で使用しているDAC(RME ADI-2 PRO FS)とPC(dynabook R734/W4K)を前日にセットしていた。


その曲は、クルレンツィス&ムジカエテルナのBeethoven Symphony No.7 in A Major,Op.92第2楽章、第3楽章


出だしのピアニシモは余りにもレベルが低く、ボリュームの設定に困ってしまう。途中のフォルテで一度上げたボリュームを絞ることになる。

流石にダイナミックレンジが広い。中音量以上のところはスケール感も申し分なく且つ解像度も高い。しかし、ピアニシモの部分は、今一解像度が低い。生ステージで聴けば演奏状態も分かるほど細かく聴こえるはずであるが・・・
オーケストラの録音は、楽器一つ一つにオンマイクを付けることが出来ないので、楽曲全部がオフマイクとなってしまう。

解像度よりも滑らかさを優先させているアンプでは、この辺りの不満を感じにくいかもしれないが、この超解像度アンプでは、録音された状態がそのまま再生されていて、録音の限界が分かってしまう。


次に、奥様が普段聴いているというCD、神尾真悠子のバッハの無伴奏ソナタ&パルティータ
 

先ほどのオーケストラとは違い、オンマイクによるソロ・バイオリンの録音であるので、実際の楽器以上のスケール感で鳴っている。


予定していた時間も過ぎてしまった。


最後は、Oさんが荒井由実の曲が聴きたいということで、彼女の初期の録音の中で最も綺麗に録音されていると思われる「海を見ていた午後」を聴いた。


J-POPSなので、かなりEQやリバーブなどが掛けられているが、失われている部分が少なく、非常に綺麗にまとめられており、制作に関わった方の感性の良さが際立つ曲だ。

日本人だってやれば出来る!

 

 

実は、試聴の前にリビング兼視聴室のこの部屋についてOさんが興味を示された。今から考えると、少しデッド過ぎる設計の部屋で、床を下げて天井高を稼いでいるものの、天井の角部に取り付けられた吸音構造が特徴的で、定在波の影響は少ないものの、残響はほとんどない。
一方、Oさんの視聴室は、斜めの高い天井を有し、かなりライブだと言う事だった。

 


私には、故郷の実家の前の山の見晴らしの良い中腹に、いい音で音楽が聴けるCaféを開きたいという夢があるが、そのCaféは出来るだけライブにしたいと密かに思っている。