浜松市 I 氏からオーダーをいただいて制作した
Order Made Speaker Network Model I-2の最終チェックが終わり、
更なる高みを目指して、
オーナーI氏自らSpeaker System の改良や
部屋(Room-I )の調整などを行い、
一段とグレードアップしていたので、
そのあらましを報告します。
まずは、エアコンが入り、色々な作業が楽になりました。
テーブルやラックなどが置かれ、
I氏の趣味のモノなどが飾られている。
次に、
左右のスピーカー間の1m位前にあった柱が取り除かれている。
流石一級建築士。
しっかりと鉄骨の三角梁で補強されている。
Before
After
ライブぎみだった左右の壁に座布団風の吸音材がいくつも取付られ、
少しデッドになっている。
ただし、
低音には効かないので部屋の定在波対策には
余り寄与してはいないと思われる。
定在波対策として比較的対応し易い方法として、
斜め板を壁に追加する方法を紹介した。
スピーカー・システムとしては、
WO(ALTEC 515B×2+WE ミラフォニック・バッフル復刻品)用バッフルの
左右に25cm巾のウイングを追加し、
リアからの低音の回り込みを防いでいる。
さてさて、試聴及び測定に入る。
とりあえずは、ネットワークの配線を既定のSQのみ逆相に繋いでチェック。
前回ダブルWOだとボーカルに付随する低い付帯音が気になっていたが、
これが気にならなくなり、
更には音楽として十分な低音が出力されている。
簡易音響測定器PAA3Xで周波数音圧特性を測定してみると、
300Hz辺りにディップが出ている。
SQの接続を逆相接続から正相接続に変更してみた。
ディップが400Hz辺りに移動しただけでディップの深さは変わらず。
つまり、
-12dB/OCTのNWでは電気的にはWOとSQの位相が
カットオフ付近では180°ずれるのだが、
各スピーカーユニットの配置等の影響で90°程度のずれ
になっていると推測する。
尚、システムの最上部に取り付けられたTWが、
SQ用のマルチセルラホーンに少しかぶっていたので、
少し位置を上げた。
よって高域の音圧も上昇している。
500Hzの1/4波長が17cmなので、
SQの位置を物理的な可能な15cmほど前に移動してみた。
NWの回路図を確認すると、
WO用のL1(4.7mH)の2.2mHはI氏所有の
トロイダルコアコイルが使われているが、
2.5mH分が手に入り易い空芯コイルとなっている。
又、SQ用のC2(10.3uF)の4.7uFはI氏所有の
オイルコンが使用されているが、
5.6uF分が手に入り易いフィルムコンとなっている。
もっと締まった低音と、
ガツンとくる中音が得られるかもしれない。
更には、
ミラフォニック・バッフルを構成している板の接合部に
少し隙間が見える箇所が見受けられたので、
この辺りの接合を強固にすことを提案した。
次回は、
上記3点の改良後の結果を報告する予定です。
ご期待を。