数年前からネガティブスプリットを勧めるマラソンの本が何冊か出版されている。例えば、
岩本能史 『非常識マラソンメソッド』 SB新書, 2010年
吉岡利貢 『マラソンは「ネガティブスプリット」で30分速くなる!』 SB新書, 2012年
小出義雄 『30キロ過ぎで一番速く走るマラソン』 角川SSC新書, 2013年
Amazonでコメントが多数入っているので、きっと多くの人が読んでいるのだろう。でも実際にネガティブで走る人の割合は少なく、以前参加した佐倉朝日健康マラソンのリザルトで調べたら5%程度だった。
95%の人は、ネガティブで走ろうとしてできなかったのか、それとも最初からネガティブで走ろうとしなかったのかは分からないが、後者が多い気がする。前半にゆっくり走った方が結果的によいタイムが出るというのは、感覚的に受け入れ難い人が多いのではないだろうか。上に挙げた本のタイトルもなんとなく胡散臭い。
だが、現在のマラソンの世界記録は、下記のように男女ともネガティブスプリットで達成されているのである。
男子 デニス・キプルト・キメット 2:02:57 (前半 1:01:45, 後半 1:01:12)
女子 ポーラ・ラドクリフ 2:15:25 (前半 1:08:02, 後半 1:07:23)
レベルは違うが、私のベストタイムもネガティブスプリットで達成された。
TOMOZO 2:56:26(前半 1:28:37、後半 1:27:49)
サンプル数は少ないが、ネガティブで速くなるというのは根も葉もないというわけではないということは分かると思う。
ネガティブで走り切れるかは、「ネガティブで走ると速くなる」とどれだけ信じられるかにかかってくる。スタート前にはネガティブで走ろうと思っていても、いざ走り出すと我慢できなくなってペースアップし、結局いつものようにポジティブになってタイムもいつも通りというのがよくあるパターンではないだろうか。
百聞は一見に如かず、ということで、「ネガティブで走ると速くなる」と信じるための動画を集めてみた(相変わらず前置きが長い)。マラソン以外は、他の選手に比べてネガティブに見えるということで、実際に後半の方が速いかは不明。悪しからず。
マラソン編 ~ 男子も女子も
2014 ベルリンマラソン (男子世界記録)
https://www.youtube.com/watch?v=Vh2dwJ80Edo
2003 ロンドンマラソン (女子世界記録)
https://www.youtube.com/watch?v=bqBBPXaMREI&t=6s
こちらは短いです。
中距離編 ~ 身長は関係なし
3000m - 東京国体少年男子B 3000m決勝
https://www.youtube.com/watch?v=ktWlZTuXLWc
少し小柄なゼッケン13番の鉢巻の選手に注目。
1500m - 2015 北京世界陸上 男子1500m決勝
https://www.youtube.com/watch?v=944gkX_OENY&index=2&list=PLKBZ6S7Jec00qyV614c_lckyIozE-XR9z
最後尾を走り続ける長身の選手に注目。
短距離編 ~ 中学生から大人まで
400m - 2016 全国中学陸上 男子400m決勝
https://www.youtube.com/watch?v=j7VoJTE9HNw
4コース(内側から3人目)に注目。
100m - 1984 ロサンゼルスオリンピック 男子100m決勝
https://www.youtube.com/watch?v=o0cqUeO6zT0
言わずと知れたカールルイスの10秒の走りを見てみましょう。
以上、これであなたも自己ベスト更新。めでたし、めでたし。