自転車 ▽ジャパントラックカップ2 2日目(31日、静岡・伊豆ベロドローム) 女子エリートのオムニアムが行われ、昨夏東京五輪銀メダリストの梶原悠未(TEAM Yumi)が優勝した。五輪後では初の国内での大会。
日本女子初のメダルに輝いた五輪と同会場で優勝を飾り、
「五輪前よりもたくさんの観客の方が集まって下さって。
いいパフォーマンスを発揮出来てよかった」と実感をこめた。
特別な思いを胸に臨んだ試合だった。
27日に、筑波大時代の同級生でトライアスロン選手だった宮崎集(つどい、享年25)さんが、
フランスでのバイク練習中の事故により亡くなった。
在学中は宮崎さんと水泳やバイクの練習中学まで競泳選手だった
梶原は、在学中は宮崎さんと水泳やバイクの練習で切磋琢磨(せっさたくま)。
ともに2024年パリ五輪での活躍を夢見る仲だった。
「今日は親友と一緒に自転車に乗って、宮崎集ちゃんに勝利をささげたいと思って走りました」。
表彰式では、宮崎さんの写真とともに表彰台に登った。
パリ五輪に向けては、オムニアムでの金メダル獲得、そして複数種目でのメダル獲得を見据える。
そしてもう一つ、「集ちゃんと、パリの表彰台の真ん中からの景色をみたい」という思いもある。
この日は多くの観客から声援ももらった。
梶原は「お客さんに楽しんでもらえるレースを心がけて、日本で自転車競技がメ
ジャースポーツになるように取り組んでいきたい」と、8月の全日本選手権でも活躍を誓った。
約半年間のスイスでの単身“武者修行”から、26日に帰国。
24日にスイスでレースをしていたが、帰国後は専任講師を務める
日本ウェルネススポーツ大学で授業を行うなど多忙だった。
「1週間ぶりに自転車に乗った」と明かしつつ、メダリストの意地。
海外でもまれた精神力を発揮し「人間力と持久力がアップしたからこそ、
積極的にレースが出来た」とうなずいた。