『「スパイ拠点」疑惑も』
文科省によると、日本では05年に立命館大が初めて開設。早稲田大や関西外国語大などが続き、
19年までに計15大学に広がった。
中国と共同運営の研究機関兵庫医大東洋医学の教育・研究拠点として
中国の大学と共同運営していた「中医薬孔子学院」を閉鎖したことが分かった。
「孔子学院」は中国政府が約20年前から各国の大学内に設立し、
日本でも15大学に開設されたが、文部科学省が活動の不透明さを問題視し、
欧米を中心にスパイ活動や政治宣伝機関の拠点とも疑われている。
閉鎖は国内2例目で、同様の動きが相次ぐ可能性もある。
孔子学院は2004年以降、中国語や中国文化を広げるため、中国政府の出資で設立。
中国側の報道によると、160超の国・地域で約550カ所が開設されている。
現地と中国の教育機関が共同運営する形を取り、中国側が中国人教師を派遣している。
兵庫医科大は12年11月、中国の北京中医薬大学と共同で「中医薬孔子学院」を設立。
日本で漢方薬として普及している「中医薬」の研究や人材育成を進めるとうたい、
医療系の孔子学院はアジア初だった。
日中の研究者や学生が相互に訪れ、シンポジウムや市民講座も開いてきた。
閉鎖は2月28日付。兵庫医科大は理由について「運営母体の中国国際中文教育基金会との
協定期間が満了したため」とのみ説明。
閉鎖の経緯▽運営に絡んで中国から資金提供を受けていたか
▽教育活動への介入があったか-などについては「お答えできない」としている。
国内では昨年3月に工学院大学(東京)が閉鎖。文科省によると、現在は13大学が運営している。