『地震調査委員会発表』政府
九州から沖縄にかけての日向灘と南西諸島周辺で起きる地震について発生確率などの
見直しを進めていましたが、M(マグニチュード)8クラスの巨大地震が発生する
可能性があるとした報告をまとめました。 その巨大地震の実態とは…。
日向灘や南西諸島で発生する地震の規模や発生確率などについて、
地震調査委員会は2004年に検討結果を公表していましたが、
その後東日本大震災が発生したほか、調査観測や研究が大きく進展してきたことから、
今回見直しを行ったものです。
日向灘や南西諸島では、フィリピン海プレートが南東方向から日本列島の下に沈み込んでいます。
プレートの境界やプレートの内部では、蓄積されたひずみを解放するために
大きな地震が起きてきました。
日向灘で起きる地震は、紀伊半島から四国の沖などと一緒に南海トラフの
巨大地震として発生する可能性が指摘されていますが、
今回は日向灘だけを震源として起きる地震について検討されました日向灘を震源域とした
M8クラスの巨大地震の発生は、これまでは想定されていませんでした。
しかし江戸時代だった1662年10月31日、日向灘付近では史上最大の被害をもたらした
地震が発生しています。
宮崎県沿岸で多くの家屋が倒壊し、城も破損したとする記録があります。
さらに、津波は宮崎沿岸では高さが4~5mに達し、延岡から大隅の沿岸を襲ったということです。
ただし、記録が少ないため発生確率は不明だとしています。
一方、巨大地震よりも一回り小さなM7.0~7.5程度の地震については、
気象庁に記録が残る1919年以降2022年3月までの間に5回発生しています。
1968年に起きたM7.5の地震では四国南西部で最大3m以上の津波も
観測され、水産施設などに被害がでました。
こうしたことから今後30年以内に日向灘でM7.0~7.5程度の地震が
発生する確率は80%程度あるとしました。
海溝型地震と呼ばれ、東日本大震災や南海トラフの地震なども同じ種類の地震です。