『示す日本の欠陥』
明治維新直後に米欧を回覧してまわった岩倉具視代表団にプロシア宰相のビスマルクが語った
「万国公法(今日の国際法)は強国に味方する」という言葉が思い起こされる。
国際法を無視する大国の横暴が止まらない。
強国は国際法を破ってでも自国の意思を通し、
正統性を主張するため油断してはならないと警告したのだ。
戦後は「力で一方的に現状変更してはならない」というのが通念であるが、
ロシアの今次のウクライナ侵攻ばかりか、
クリミア半島の併合も力による一方的な現状変更の試みであった。
国際社会は見て見ぬふりをしてきた。
自分の国は自分で守る以外にないという現実を示している。
中国が南シナ海で人工島を築いて領有権を主張していることや、
尖閣諸島を核心的利益として自国領化しようと企んでいるのも一方的な現状変更である。
こうした国際法違反のなし崩しに対して国際社会の対処はあまりにも生温かった。
中国の核心的利益やロシアの特別軍事作戦は「侵攻」を正統化し、
「侵略」を否定して自国領や傀儡政権樹立に道を開くものである。
中国が「核心的利益」を言えば素直にを是認せよというもので、
大国の横暴以外の何物でもない。無茶な言説であり、総領事個人の考えというよりも、
中国の考えそのものでもあるようだ。
国際法を捻じ曲げて正当化する大国 中国の薛剣(せつけん)・大阪総領事は、
「弱い人は絶対に強い人に喧嘩を売る様な愚か(な行為)をしてはいけない」