ノルウェー南部ウトヤ島での乱射事件
島では与党労働党の青年部が恒例のサマーキャンプを開いており、主に10代から20代半ばの若者らが政治討論やイベントを楽しんだ。しかし、突然の銃声で暗転した。
若者ら約80人が犠牲となった。500人を超える若者が、政治問題を語りながら夏の一時を過ごそうと集まったリゾート地の小島は、突然の事件で“死の島”と化した。
生存者らの証言では、確実に殺せるよう各人に2発ずつ撃ち込んだという。
警官に偽装した男は、集まるよう若者らに命じた上で無差別発砲を始めた。
「最初は風船が割れているのか、誰かがふざけているだけかと思った」と惨劇を生き延びた男性の一人。別の女性は英スカイニューズ・テレビに「銃声が近づいて、震えが止まらなかった。多くの人の所在が確認できない」と泣き声交じりで話した。
島内の死者は当初、10人程度とみられたが、警察は水中や島内で捜索を継続、遺体が次々と確認された。。「男は、最初は島にいた人を撃ち、その後、水中に逃げた人に銃を向けた」という。
水面には力尽きたのか、動かずに浮いている人の姿も。頭を撃ち抜かれた犠牲者も。警察官の一人は「死者はさらに増えるかもしれない」と沈痛な面持ちで話した。
住民の女性(42)は「50人ほどが水に飛び込むのが見えた。彼らはおびえ、泣き叫んで、震えていた」と振り返った。