八百長疑惑で7力士を事情聴取 | 【かほり放送局】

力士
【スポーツニッポン】より

 相撲協会が力士の大量聴取に踏み切った。22日発売の週刊現代が、横綱・朝青龍(26=高砂部屋)の八百長疑惑を告発した件に関し、日本相撲協会が、関与したと報じられた力士への事情聴取を行っていたことが24日、明らかになった。すでに7人の幕内力士と朝青龍の師匠である高砂親方(元大関・朝潮)の聴取を終了。週明けには4大関と朝青龍、仲介役とされる旭天山の事情聴取を行う。現時点では全力士が疑惑を否定しており、相撲界が組織を挙げて潔白を主張する。

 週刊誌報道が発端となった八百長騒動解決に向け、相撲協会が本腰を入れて調査に乗りだした。協会はすでに、22日から24日までの3日間で渦中の7力士と1親方の8人を個別に聴取した。2000年1月に元小結・板井の告発により、横綱・曙ら関取18人が八百長疑惑に関する事情聴取を受けたことがあるが、それ以来の大量聴取となる。
週刊現代は「横綱 朝青龍の八百長を告発する!」との見出しで、昨年九州場所で全勝優勝した朝青龍の取組を検証。15番のうちガチンコ(真剣勝負)が4番しかなかったと指摘し、さらに関係者の証言からモンゴル出身の旭天山が仲介役となって1番80万円で星を買っていたと報じている。
発売日の22日には横綱審議委員会の各委員から問い合わせを受け、北の湖理事長(元横綱)は状況次第で法的手段に訴える可能性を伝えるとともに、事情聴取に着手。ガチンコと報じられた4力士をのぞく、朝青龍の対戦力士11人と朝青龍、旭天山、雑誌の取材に答えた高砂親方(元大関・朝潮)への“個別面談”を開始した。
聴取は本場所で無気力相撲防止に努める監察委員会が担当。友綱監察委員長(元関脇・魁輝)、伊勢ケ浜同副委員(元前頭・和晃)、弁護士の3人が行い、3日間で8人の聴取を完了。残る4大関と朝青龍、旭天山は29、30日に行う予定だ。
友綱委員長は「野放しにせず、徹底的にやった方がいいと思っている」と説明。「聞いた力士全員が知らないと言っている。九州ではひどい相撲もなかったし、オレもないと思っている」と疑惑を否定した。
監察委員会は力士への確認が終了次第、北の湖理事長に報告書を提出する。同理事長は「現在、どういう状況かは話さない」と明言を避け、24日に聴取のために国技館を訪れた雅山も「普通に、普通に」と話すにとどまり、関係者の口は一様に重い。一方で、協会は週刊誌への抗議だけでなく、法的手段に訴えることを視野に入れて準備を進めているという。
「これを機に疑いを持たれることをなくすよう徹底すべき。後ろ指さされないようにしなければと思う」と友綱委員長。数年おきに表面化する八百長疑惑。週刊誌報道と真っ向から対決する姿勢を示す大量聴取をすることで、相撲協会は事実無根を証明するつもりだ。