運動とその他の発達 3の1 | 肢体不自由の子どもと共に生きるのブログ

肢体不自由の子どもと共に生きるのブログ

肢体不自由の子どもと共に50年余を過ごしてきました。肢体不自由な子どもに変わり、その不自由さを知っていると自負しています。
肢体不自由に対して、私の思いや意見を記して参りますが、質問と理解できない点については、どうぞお尋ねください。

肢体不自由児の治療のために、不自由な子どもの身体を他人が動かす(運動療法:治療体操)。他人が動かすことによって、肢体不自由児がどうして変わるのか?
 まずは定型発達児を見て・・。早期出産によって生まれた赤ちゃんでは、修正月齢を使うことも大切ですが、正常な発達も参考にしておいて欲しいです。
 年齢が高くなっていても、首がすわっていないのであれば、このテーマから取り組
んで欲しいです。
【生後4カ月頃】 生後3カ月児と異なるのは・・。
 首がすわり、はっきりと追視し、新生児反射は大部分は消失しています。
 これらのどのひとつも達成していないものは明らかに異常と見てよいでしょう。
 脊髄・脳幹レベルの反射的な生活から、手に触れたものは握り、随意的にものを見て追視し、中脳間脳レベルの立ち直り反射も一部見られ始めています。
→ 首が座っている。(3ヶ月で首が座らないのは異常といえないが4ヶ月で首が座らないのは明らかに異常でしょう。)
→ 手に触れたものや近くのものは握り、振ったり眺めたりして遊びます。
→ 寝返りはできないが、顔を興味のある方に向けると半分まで寝返ることができます。
→ あやすと声を立てて笑ったり、反応したり、物を見て明らかに追視します。
→ 仰向け位(背臥位)。
・ 一般に顔が正面を向き、両下肢を屈曲して半ば挙上し、両手を顔の前にもってきて遊んでいることが多い。
・ ガラガラを握らせると振ったり、眺めたりしてしばらく遊びます。決してすぐに放すということは有りません。
→ うつ伏せ位(腹臥位)。
・ 前腕で体重を支え、顔がベットから45~90度挙げられます。
 しかし、4ヶ月児は腹臥位の発達の幅が他の月齢に比べて一番広範にみられます。
顔を真ん中にして瞬間的に挙上する1ヶ月の発達レベルから、45度以下しか挙げな
い3ヶ月の発達レベル、そしてごくまれに前腕で体重を支え90度まで顔が上がる5ヶ月の発達レベルのものまで診られます。
→ 追視。
・ 正常では左右一杯に、水平では180度まで追視します。上下もかなりはっきりと追視します。
→ 引き起こしから座位。(首すわりの確認)
・ 背臥位(仰向け)の乳児の両手を持って引き起こすと上腕・肩にほんの少し力が入り、45度引き起こされたところで首は体幹と平行になり、下肢は屈曲して腹部に近づくのが大半に診られます。
・ 引き起こしたときにしばらくその姿勢でいても首は座っています。
・ 座位の姿勢で少し揺さぶっても4ヶ月児では前屈しません。
・ また、腰を支えると座っていられます。
・ 首もしっかりしているが手をしっかり開いている状態になります。
・ 腰を支えても座れないのは異常です。
→ 垂直抱き。
・ 垂直抱きにすると下肢は2~3ヶ月児に比較して屈曲位をとることが多いです。
 そのままの姿勢で足裏を床につけて、体重を支えようとしても多くは下肢を屈曲し
たままで体重を支えようとしません。
 なかにはある程度支えるものもあります。
・ 2~3ヶ月児と異なる点はこのようにされても両手を開いていることです。
→ 腹臥位での水平抱き。
・ 水平抱きにすると顔を上げ、体幹が伸展し、下肢は軽く伸展傾向をとります。
・ 上肢は屈曲し、手は開いて自由な姿勢をとっています。
【異常所見:予測される障害は】
・ 首がすわらない:脳性麻痺・知的障害・メオパチー等
・ あやしても笑わない:知的障害・乳児自閉症等
・ 筋肉が柔らかく自発運動が少ない:メオパチー・ウエルドニッヒ-ホフマン病・
 知的障害・重度脳障害等
・ 反応が鈍い・感心が少ない:知能障害・視覚障害・聴覚障害等
・ 身体が硬い・身体が反る:脳性麻痺等
・ 片手を握っている:先天性片マヒ・脳性麻痺の片マヒ等
・ 頭が大きい:水頭症・巨脳症等
・ 頭が小さい:小頭症・脳性硬膜下血腫?・慢性硬膜下血腫・頭蓋骨縫合早期癒合症(狭頭症)等
・ 眼球の異常運動:斜視・視力障害・脳障害・失調症等
※ 問題が有ってトレーニングする点については、次回です。
 次回に続く・・・

※※ ご質問をお寄せください。ご質問については、メールでお願いいたします。
 (training)@xpost.plala.or.jpにお願いします。
 (training)を「ls-cc」に書き換えてお願いします。