眠る正義を呼び起こせ!! 緑黄色社会「Mela!」 | よねともが気ままに思うブログ

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本日は緑黄色社会「Mela!」(2020年リリース、アルバム『SINGALONG』収録) です。





緑黄色社会は4人組のポップ・ロック・バンドで、「リョクシャカ」の愛称で親しまれています。ドラムレスの4人組で長屋晴子さん(ボーカル・ギター)小林壱誓さん(ギター)peppeさん(キーボード)穴見真吾さん(ベース) で構成されています。



左から穴見真吾さん(ベース)、長屋晴子さん(ボーカル・ギター)、peppeさん(キーボード)、小林壱誓さん(ギター)

元々は高校の軽音楽部に長屋さん、小林さん、peppeさんを中心に結成。同級生同士で組まれており、当時はベース、ドラムも同級生によるメンバーで構成されていました。長屋さんと小林さんはそれぞれボーカル志望でしたが、小林さんは長屋さんが鼻歌を口ずさんだのを聴いた時に衝撃を受けてギター担当になったそうです。早い段階でオリジナル曲を作り始めるようになるも、当時のベース担当が早々と脱退してしまいます。そこで、小林さんが年下の幼馴染だった穴見さんをバンドに誘います。穴見さんは長屋さんの歌を聴いて即答で加入し、現在のメンバーが揃います。2015年にドラム担当が脱退してからドラム不在で現行の編成になり、2018年にミニ・アルバム『溢れた水の行方』でメジャー・デビューします。2020年には新型コロナウイルスの影響で活動を制限されますが、アルバム『SINGALONG』の高い完成度、そしてこの「Mela!」が話題を呼び、徐々に若年層を中心にバンドが浸透するようになります。2022年には初の日本武道館でのワンマンライブを成功させ、「NHK紅白歌合戦」にも初出場するなど、飛躍の1年となりました。以降もハイペースで作品を発表し、ライブ・ツアーを敢行するなど、急成長を遂げるバンドとなっています。

「Mela!」はアルバム『SINGALONG』のリード・トラックで、ダリヤ「パルティ カラーリングミルク」のCMソングになったほか、日本テレビ系情報番組「スッキリ」の「ひとつになろう! ダンスONEプロジェクト」の課題曲になりました。

この曲はメンバー全員で制作されており、peppeさんと穴見さんが作曲を担当し、長屋さんと小林さんが作詞を担当しています。元々このアイディアを考案したのはpeppeさんで、フレーズを思い付いて曲にしようと考えたそうですが、1人では曲のイメージをうまく広げられないということで、穴見さんとセッションを行ってメロディーを完成させました。Aメロとしてpeppeさんが作ったメロディーは穴見さんが「メロディーがすごく強い」と思ったことからサビのメロディーになったという経緯があります。

長屋さんは2人が書いた曲を聴いて、「久しぶりにメンバー全員で作りたい」と考えて小林さんに一緒に作詞を行うことを持ちかけました。歌詞は小林さんが書いたプロットを基に長屋さんが歌詞に起こしていき、2人で話し合いをしながら完成させていきました。このようなやり方は初めてだったと長屋さんは振り返っています。長屋さんは「ふとメラメラっと沸き起こる、「今だ!」と思った衝動をそのまま楽曲にした」とのことだそうです。

今なんじゃない? メラメラとたぎれ
眠っているだけの正義
こんな僕も 君のヒーローになりたいのさ

心の奥に眠る自分の中の正義感。いつまでもウダウダしている弱い自分から、殻を破ろうとしています。それがまさに今なんじゃないの!!?と発破をかけるのです。こんな僕でも君のヒーローになりたいんだ、と心に決めるのです。

ラ・ラ・ラ ラ・ラ・ラ〜

この曲に欠かせない「ラ・ラ・ラ〜」は僕に対してみんなが声援を送っているよう。ここでさらに僕は勇気を奮い立たせるのです。

かっこいい君には 僕じゃ頼りないのかなんて
そりゃそうだよな だって今もこうして迷ってる

でもまたここで臆病な自分が出てくるのです。憧れの的のような存在の君には、僕のような弱気な自分のことなんて頼りないと思われているんじゃないかと、どうしてもマイナスに考えてしまいます。声を送ってもらっていても、迷いが捨てられないでいるのです。

手を取ってくれないか ギブとテイクさ
君が僕のヒーローだったように

最後に僕を後押ししてくれるのは、君自身。僕に手を取ってくれないかな?僕にとってのヒーローは君だから。これでようやく、眠れる正義感が呼び起こすのです。

今なんじゃない? メラメラとたぎる
こんな僕にも潜む正義が

そして今ここで自分の中に潜む正義が、「メラメラ」とたぎるのです。弱気な自分から殻を破り、君のヒーローになるべく立ち上がるのです。

どうしようもない衝動に駆られて
ほら気付けば手を握っている

正義感を呼び起こした自分には何も怖いものはありません。恐れるものはありません。「救いたい」というその一心で君の手を握って、助けようとしていました。

いったいぜんたい そんなに荷物を背負い込んでどこへ行くの
ねえねえ待って 僕にちょっと預けてみては?

憧れの君は元々正義感が強くて、何でも抱え込んでしまう性分でした。だからこそ重荷も人一倍。それを全て抱え込んでやり切ろうとしていました。君を助けるヒーローになりたい僕は、君に思い切って声を掛けるのです。

アップ・テンポで力強いベースとドラム、そして緑黄色社会の曲で初めて採用されたブラスサウンドが特徴的な曲で、この力強さ、そして長屋さんの力がこもった伸びやかなボーカルが、この曲のパワーの源であるような気がします。アレンジは緑黄色社会のメンバー全員と、キーボーディストでアレンジャーの横山裕章さんによるものです。横山さんの参加は曲のブラッシュアップに多大な貢献をしており、peppeさんは「自分の意見にアイディアを加えてくれた」と話しています。ブラスサウンドを入れたのは元々吹奏楽出身で、ルーツが管楽器なのでいつかは入れたいと話していたといい、その願いが叶ったものだとも話しています。ドラムは森瑞希さんによるもの、横山さんはコンピューター・プログラミングにも関わっています。コーラス・タンバリン・ハンドクラップはメンバー全員と森さんによるものです。

この曲はSNSを中心にたちまち話題となり、現在ではストリーミング再生回数が3億回を突破するなど緑黄色社会を代表する曲となりました。自分の中に潜む正義を呼び起こせ!自分の運命を変えていくのです。


↑MV。これを見て久々にMVで泣きました。