未来と希望、前進。Mr.Children「くるみ」 | よねともが気ままに思うブログ

よねともが気ままに思うブログ

よねともが思うことを綴るブログです。
好きな音楽をただ紹介しています。

本日はMr.Children「くるみ」(2003年リリース) です。




前年の2002年7月。シングル「Any」リリース直後に、桜井和寿さんは「小脳梗塞」の疑いが見られたことが公となり、さらなる検査と充分な静養が必要と診断されたことから、2002年内に行われる予定だったホール・アリーナツアーは中止となり、活動が一時的にストップします。結果的には4ヶ月程の静養、そしてシングル「HERO」のレコーディングを行うなどして、徐々に体制を立て直し、12月には一夜限りのライブを神奈川・横浜アリーナで開催するなどしていました。桜井さんの体調に問題は無いと判断され、活動の本格的な再開を進めようとしていたのですが、ドラム担当の鈴木英哉さんが活動再開を頑なに拒み、反対したことから2003年前半も引き続き活動を休止することになりました。鈴木さんが「休みたい」と漏らしたことから休止となったと言われていますが、実際は病み上がりの桜井さんのことを気遣って、自身が矢面に立つ形で休止を申し出たそうです。その甲斐もあって桜井さんは病気の再発等も、後遺症もなく、元気に活動を再開することが出来ました。2003年5月にはアルバム作りもスタートしレコーディングに入り、9月に、当時未発表となっていた「タガタメ」をラジオでオンエアーしたことから活動を再開し、その2ヶ月後に、シングル「掌/くるみ」をリリースしました。

リリース当時は「掌」とともにノンタイアップでしたが、後にNTTドコモのCMソングに起用されました。

タイトルの「くるみ」は「未来」という文字を逆さにすると「来未」になることから生まれたもので、ひらがなにすることで名前になることから付けられたタイトルでした。桜井さんはこの曲の2番のサビを書いてる途中で涙を流すほど思い入れの強い曲だそうです。

歌詞は「くるみ」に対して歌っているもので、最愛の「くるみ」と離れても未来を見据え、希望を胸に抱いて前に進む姿を描いたものとなっています。

ねぇ くるみ
この街の景色は 君の目にどう映るの?
今の僕はどう見えるの?

「くるみ」に話しかけることから始まります。君と過ごした街は「くるみ」の目にはどう映っているのか?そして「くるみ」の目には僕はどう見えているのか?変わっているのか、それともあの時のままなのか。

ねぇ くるみ
誰かの優しさも 皮肉に聞こえてしまうんだ
そんな時はどうしたらいい?

僕に周りの人が気を遣ったり、励ましたり、優しくしてくれていますが、そんな優しさも捻くれてしまうのが今の僕のようです。僕はまた「くるみ」に聞いています。どうしたらいいんだろう?と。

良かった事だけ思い出して
やけに年老いた気持ちになる

「あの時は良かった」「昔は楽しかった」と回顧する老年と同じように、「くるみがいた時は楽しかったなぁ」と僕はふとあの時のことを思い出すのです。まだ若い筈なんだけど、回顧すると老人になった気分になるものです。

とはいえ暮らしの中で 今 動き出そうとしている
歯車のひとつにならなくてはなぁ

しかし僕は今を生きなければなりません。昔を思い出してばかりではダメなんだ。普段の日常に溶け込まなくてはなりません。

希望の数だけ失望は増える
それでも明日に胸は震える

「希望」はあくまで望むことなので、夢と同じで叶えられる確証はありません、望めば望むほど、途中て挫折すれば「失望」に変わります。僕が前に進むうえで、さまざまな希望を抱いて生きていこうとしますが、幾度となく「失望」することだってあります。しかし、明日が「希望」を叶えられるのか、「失望」するのかは僕次第。どうなるのか、ワクワクしているのです。

「どんな事が起こるんだろう?」
想像してみるんだよ

明日、僕にはどんなことが起こるのか、「くるみ」も想像してごらんと話すのでした。

編曲はMr.Childrenとともにプロデューサーの小林武史さんも加わっています。アコースティック・ギターを前面に出し、オルガンを加えたアコースティックでフォークの色が濃く出ている曲となっています。桜井さんは尾崎豊さんの名曲「シェリー」を意識して作ったそうです。鈴木さんのドラム、中川敬輔さんのベースはタイトなリズムを刻みつつ、歌心を感じる鉄壁のリズム隊となっています。田原健一さんのエレクトリック・ギターも良いアクセントです。小林さんはピアノとオルガンを弾いています。グロッケンはパーカッション奏者の大石真理恵さんが叩いています。そしてMr.Childrenのゆったりした曲に欠かせないストリングスも入っています。

未来と希望、そして前進。Mr.Childrenの曲の中でも特に歌詞が感動的な曲です。私も前を向いて進んでいかなければなりません。