半世紀の歩みと結束。UNICORN「50/50」 | よねともが気ままに思うブログ

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本日はUNICORN「50/50」(2017年リリース、アルバム『半世紀No.5』収録) です。




2009年のUNICORN再結成初年は、ドラム担当の川西幸一さんが、他のメンバーに先駆けて「生誕50年」を迎えました。(UNICORNメンバーは基本的に年がバラバラで、同学年同士は奥田民生さんとEBIさんのみ) 50歳を迎えた川西さんを「祝う」為に、2009年10月の川西さんの誕生日に合わせて日本武道館と大阪城ホールで、「川西幸一50祭 チョットオンチー栄光の50年」を開催しました。さらに、合わせて新曲を2曲書き下ろしてシングル「半世紀少年」をリリースするなどしました。これがその後足掛け7年に渡って続く「50祭」の始まりでした。その後は2013年に手島いさむさん、2015年に民生さんとEBIさん、そして2016年にABEDONさんがそれぞれ50歳を迎えて「50祭」を開催しました。

  • 手島さん···「手島いさむ50祭 ワシモ半世紀」
  • 民生さん···「奥田民生50祭 もみじまんごしゅう」
  • EBIさん···「EBI50祭 海老乃大漁祭」
  • ABEDONさん···「ABEDON50祭 サクランボー/祝いのアベドン」
それぞれ趣向を凝らしたり、UNICORN以外のバンド活動やゆかりのあるミュージシャンを呼ぶなど、大盛り上がりとなりました。そして、各50祭限定ダウンロード販売として、川西さんのように新曲を2曲ずつ配信していました。民生さん以降は1曲を「50歳を迎えるメンバー以外のメンバー4人で制作したもの」、1曲を「50歳を迎えるメンバーが単独で制作したもの」の計2曲を配信しました。基本的には「4人で制作したもの」はおふざけに走る曲となりますが、「50歳を迎えるメンバーが単独で制作したもの」は真面目な作品となっています。

今回ここで紹介するのは、50祭のトリを飾ったABEDONさんによる作詞・作曲作品です。

「ABEDON50祭 サクランボー/祝いのアベドン」は、ABEDONさんの出身地、山形市で開催されました。UNICORN以外にもABEDONさんが結成したバンドやユニット、そしてインディーズ時代にABEDONさんがプロデュースをしていた氣志團が登場しました。山形が生んだ高尚なる(?)音楽家・ABEDONさんを祝おうと、多くのファンが来場し、話題を呼びました。そんなABEDONさんが作詞・作曲・ボーカルを担当した「50祭」最後の作品を飾ったのが、この「50/50」でした。

歌詞は「50」を意識した、僕と君の関係を歌ったものです。

50/50 愛の言葉
50/50 君と僕をつなぐ

「50/50」(フィフティ・フィフティ) という言葉自体は、かつて放送されていた某人気クイズ番組の救済措置の一つとしてよく知られていますが、元々は「100」という同じ数字が分かれたものでした。あくまで、片方が「50」でもう片方とは元々繋がっていた数字です。ここでは「君と僕」がそれぞれ「50」となっていますが、合わせたら元々僕らは繋がっているよね、他人じゃないみたいだ、という意味合いで使われているような気がします。

新しい時は 新しい服で 新しい唄をうたおう

新しい時代を迎える2人。その時は気分を一新して、服を新しいものに着替えて、新しい唄を口ずさもうと話しています。

50/50 半分こにする
50/50 ふたつでひとつだから

ひとつのものを半分こにしてふたつにします。分け合う二人も一心同体。ふたりでひとりです。

懐かしい時は 懐かしい服で 懐かしい唄をうたおう

想い出を振り返る時、そして懐かしい場所に行くときは、その時着ていた服を着て、懐かしい唄を口ずさむのです。

間奏ではABEDONさんが「1」から「50」まで数えます。

50/50 重ねてる
50/50 バームクーヘンは甘い



「バームクーヘン」は何層にも積み重なっているように見えますが、恐らくここまでの道のりを、「バームクーヘン」の層と重ねたものを指しているのだと思います。僕らが歩んできた道のりは甘くないけど、バームクーヘンは反対に甘いということなのでしょう。

願いがあるなら 半分叶える
残りはまた次 とりおき

願いを全部叶えるのではなく、半分だけ。ここで全て叶えても人生は面白くないので、残りはこの先にとっておこう、という意味合いだと思われます。なかなか粋な歌詞。

君と僕はそう ふたりでひとつ
そして僕らは いつつでひとつ
新しい今を うたおう

先程も一心同体の話を出していますが、「いつつでひとつ」は紛れもなくUNICORN5人を指したもの。5人揃ってUNICORN何だと改めて結束を感じさせます。

前半はABEDONさんによるピアノのみで、ピアノ弾き語りとなっています。間奏から他の楽器も出てきてバンド形態となります。ロッカ・バラードといった感じでしょう。2009年の再結成以降は民生さんと並んで、ABEDONさんもキャッチーで、多くの曲を生み出しており、この曲も心に染み渡る作品となっています。歳を重ねれば重ねるほど、重みが増す曲だと思っています。

半世紀の道のりは甘くないけど、楽しんだ50年。これからも多くの曲を生み出していこうと、またさらに結束を強くするのでした。