遠い夢の中。JITTERIN'JINN「夏祭り」 | よねともが気ままに思うブログ

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本日はJITTERIN'JINN「夏祭り」(1990年リリース) です。




2枚目のシングル「プレゼント」のヒットから、人気が急上昇していたJITTERIN'JINNですが、3枚目のシングル「にちようび」でその人気を不動のものにします。「にちようび」はオリコンシングルチャートでノンタイアップながら1位を獲得します。演奏技術の高さは勿論ですが、ボーカル・春川玲子さんの透き通った高音、そしてほぼ全ての楽曲の作詞・作曲・編曲を手掛けるギター・破矢ジンタさんのクオリティの高い曲は、JITTERIN'JINNの人気の高さを裏付ける理由だと思います。

そして「にちようび」に続くシングルとして制作されたのが、この「夏祭り」です。

この「夏祭り」は現在でも夏うたのスタンダードナンバーとして知られています。JITTERIN'JINNの「夏祭り」も「にちようび」に続いてヒットしましたが、大きな注目を浴びたのは2000年にガールズバンド・Whiteberryがこの「夏祭り」をカバーし、シングルリリースしたことでしょう。




Whiteberryは、当時メンバー全員が高校生で、衣装が浴衣にも関わらず脚が見えた「ミニ浴衣」のような衣装を纏い歌唱する姿は、注目を浴びました。そして、曲単体も再評価されることになり、このWhiteberry版の「夏祭り」は、JITTERIN'JINNのオリジナルよりも高い売上となりました。

話をJITTERIN'JINNの方に戻すと、オリジナルの「夏祭り」は、非常にシンプルなバンドアレンジで尚且つ、アコースティック・ギターを用いたフォークの雰囲気に近い、当時としては異端なロックサウンドに仕上がっています。後年のWhiteberry版は、アコースティック・ギター無しでエレクトリック・ギターのみ、それも少し歪んだサウンドとなっています。その他、ピアノやパーカッションが入った、「お祭り」テイストの盛り上がるロックサウンドですが、JITTERIN'JINN版は、昔ながらの「お祭り」といった雰囲気で、懐かしさや親しみやすさを感じるサウンドになっています。ギターは全て破矢ジンタさんによるもので、間奏のギターソロも、難しいフレーズではなく、耳に残りやすいフレーズになっています。浦田松蔵さんによるベースも指弾きで、やはり単純なベース・ラインながら、堅実なベースサウンドを効かせています。

そして、「プレゼント」の時にも記したように、ドラムスの入江美由紀さんの演奏技術は、特筆すべきものがあります。特にこの曲のドラムは、アップ・テンポの2ビートで、リズムが崩れやすいものですが、正確でタイトな演奏はやはり素晴らしいものです。また、「夏祭り」で特徴的なのは、Aメロと間奏で採用された「リムショット」です。「リムショット」はスネアドラムのふちを叩く奏法ですが、この奏法を用いたことで、和太鼓の演奏のような雰囲気を醸し出すことに成功しています。そして入江さんの間奏のリムショットによるドラムソロは、この曲の中でも特に好きな部分でもあります。

歌詞は少女といった夏祭りでの出来事と、夏祭りだけの淡い時間を過ごした僕の気持ちを歌ったものでした。

君がいた夏は 遠い夢の中
空に消えてった 打ち上げ花火

サビの有名な歌詞ですが、既にこの時点で僕は、あの「夏祭り」を回顧したような状況ともとれるような歌詞となっています。君と過ごした「夏祭り」は、夢のような時間で、僕にとっては遠い存在だったんだ、という思いを感じています。「打ち上げ花火」は、だいたいは祭りの最後に打ち上げられます。この「打ち上げ花火」が消えたら、僕と君はまた遠い存在になるんだな、という終わってほしくない気持ちを抱いたまま、花火を見ているのだと思います。

毎年夏に必ず聴きたくなる曲。やはり、この夏もこの曲に限ります。




Whiteberry版が好きな方はこちらをどうぞ。