───談話室

咲也「はい、カントク!これ、こないだ言ってたうちの学校のパンフレットです!」

天馬「オレも持ってきてやったぞ。ほら。」

いづみ「ありがとう、咲也くん、天馬くん!」

「俺達の通う学校についても知っておこうなんて、監督も真面目っすね。」

いづみ「そう?みんなのこと、色々知っておきたいから。」

いづみ「へぇ、花咲学園はブレザーで、欧華高校は学ランなんだ。」

「花咲学園は通称花学、欧華高校は通称O高。で、オレと椋が通ってるのは聖フローラ中学校。」

「花学の制服は、全国の「可愛い高校制服ランキング」の常連だよ。」

いづみ「なるほど、確かに可愛いもんね。」

咲也「写真も色々載ってますね!O高の教室とか体育館ってこんなふうになってるんだ〜!」

いづみ「こういう感じ、何だか懐かしいな。」

「俺もちょっと前なだけだけどもう懐かしいなぁ。授業も、科とかコースによって違ったりするんすよね。」

いづみ「そうそう。.......ん?欧華高校って芸能コースないんだ。」

いづみ(意外.......)

咲也「不思議そうな顔して、どうしたんですか、カントク?」

いづみ「ほら、天馬くんって俳優活動もしてるし、立派な芸能人でしょ?でも通ってるのって普通の高校なんだなって。」

「あー、そういうこと。」

いづみ「うん。ご両親もスターだし、そういう人は高校も芸能コースとかに通うものなのかな、と思ってたから。」

「そう言われれば、たしかに。」

いづみ「でしょ?何か理由があるの?」

天馬「べ.......別に良いだろ。どこに通ってたって。」

咲也「ここら辺で芸能コースがある学校と言えば天ヶ崎高校だよね?」

「だな。あ、でもあそこって、偏差値ちょっと高いんだよな。」

天馬「.............。」

いづみ(.......偏差値が高い?)

「.......もしかして、落ちちゃったわけ?」

天馬「おっ、落ちたっていうかオレに合わないから落ちてやったんだよ!」

「いやそれ結局落ちたってことだから.......。」

いづみ「うん.......確かに.......。」

「でも欧華以外にも高校あったろ。」

咲也「ちょっと離れてるけど、隣町にも芸能科のある学校あるよね。」

天馬「お、親父が世間を見てこいって言うから、仕方なく普通の高校に入ってやったんだ!」

天馬「まあ、庶民の暮らしを見ることも演技の肥やしになるしな!」

いづみ「そうなんだ.......。」

咲也「なるほど!さすが天馬くん!」

天馬「まあな!」

「.............負け惜しみ。」

天馬「は!?違うっつってんだろ!」

「はいはい。」

天馬「ちょ、何だよその目は、こら、瑠璃川ーっ!!」

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